内容説明
債務者への過酷な徴収から「悪魔」と呼ばれた街金融の経営者・野田秋人の元に、ある日、惨殺された新規客の肉片が届いた。調査を始めた野田に、客を自殺に追い込んだ五年前の記憶が蘇る。そして、事件の影に浮かび上がる、かつて愛した女の名。惨殺は野田に対する復讐の始まりなのか―。金融界に身を置いていた著者のリアリティー溢れる衝撃作。
著者等紹介
新堂冬樹[シンドウフユキ]
金融会社勤務を経て、現在はコンサルタント業や芸能プロダクション(新堂プロ)を営む。「血塗られた神話」で第七回メフィスト賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
A
19
ハードボイルド。貸金業を経営する主人公の回りで不審な事件が。探偵との関係も良かったです。犯人が意外でした。2018/08/29
MATHILDA&LEON
16
ハードボイルド感の強い、かなり衝撃的な物語の本作。これがデビュー作?と驚きつつ読み進めた。金貸しと、借りる者。それは昔からずっとあったことではあるが、やはり人間の浅ましさや卑しさを目の当たりにするのはいい気持ちがしない。それに悩み苦しむ主人公がいい意味で人間らしく、それが救いになる。2015/03/12
那由多
10
新堂冬樹の金融モノはすさんだ気分になりたい時、無性に読みたくなったりする。人間普段見えてる面が全てではないのは分かってはいるが、あの人もこの人も知らない顔を隠してたんだな。ハードボイルドって、女性が不幸になる率高いよね。メフィスト賞受賞作と相性が良い私。2019/02/11
mhsr
7
第7回メフィスト賞受賞作。分類するならハードボイルドで、なかなか面白かった。題名からはSFを連想させるが、現実的な金融業界がテーマの、割とストレートなエンタメになっている。機会があれば他の作品も読むかもしれない。2015/08/15
you
6
著者デビュー作。普通のミステリーっぽくておもしろかったです。新堂作品はさすがに自分の職業?だけあって闇金、街金の裏側の世界が分かっておもしろい。この本は最後がどんでん返し?的で楽しかったです。まさか!そうだったんだ・・人は見かけによらないですね。主人公の周りの人たちも中々いい味出していました。しばらく新堂作品に、はまる予定。2014/10/23