内容説明
ホームレスを夢見る会社員。売れないアイドルを一途に応援する青年。合コンで知り合った男に遊ばれる女子大生。老婆に詐欺を働く借金まみれのギャンブラー。場末の舞台に立つお笑いコンビ。彼らの陽のあたらない人生に、時にひとすじの光が差す―。不器用に生きる人々をユーモア溢れる筆致で描き、高い評価を獲得した感動の小説デヴュー作。
著者等紹介
劇団ひとり[ゲキダンヒトリ]
1977年千葉県生まれ。92年デビュー。2000年にピン芸人として「劇団ひとり」となる。総勢数十名のキャラクターを一人で演じ注目される。映画やTVで俳優としても幅広く活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
徒花
397
予想していたよりも物語の作り方が上手かった。連作短編集なのだが、それぞれの物語の登場人物がさりげなくリンクしている。文章事態もすっきりしていて読みやすく、しかも登場人物によって書き方を分けているので、きちんとキャラクターが表現できている。ちょっとご都合主義なシーンや設定があったりもするが、エンタメ文芸としては十分商業作品として成立している感じ。タイトルの通り、現代社会の日陰にいるような人たちが本のちょっとだけ救われるようなストーリー。特に後に残るものはないけど。2017/10/18
青葉麒麟
149
いやはや面白かった!!芸人が書いた小説なんて・・・と馬鹿にしてた自分が恥ずかしい(*/□\*)ちゃんとどの小説も登場人物がリンクしてるし笑えたり感動したりした。天才だね、此のヒト。後書きがお父さんて!!しかも此方も文才ありそうだし。遺伝かな?2012/10/22
ハミング♪♪@LIVE ON LIVE
147
友達からオススメされて借りた本。おもしろかったし、読みやすかった!なんか伊坂さんっぽい要素もあって、私好みかも?短編が5つ収録されているけれど、どれも読後が良く、ほっこりするようなジーンとくるような微笑ましいようなそんな感じ。ユーモアがあるのに妙に胸が熱くなるというか、ライトなのに奥行きがあるというか、そういうちょっと不思議で素敵なお話たち。5つのお話が何気にリンクしてるのも「ニヤッ」となって、「またこれか~!」ってなった(笑 「真剣だけど笑える、笑えるけど真剣」っていうのがちょうどいいと思う。2014/07/09
馨
111
映画化もして、読むのがかなり遅れたけど・・・ 短編で読みやすくて、めちゃ面白かったです。 登場人物それぞれ特徴ありまくってたけど、何か共感。劇団ひとりさんは、文章がうますぎます。
おかむー
103
『青天の霹靂』と順序が逆になったけれど劇団ひとりの小説家デビュー作。ピース又吉の『火花』のおかげで少々陰になっちゃった感ですね。『もうすこしです』。世間からちょっと落ちこぼれかけたひとびとを描いた5篇の連作短篇。「小説とは分けて見ないと」といわれそうですが、芸人としての劇団ひとりと見比べてしまうと濃いキャラクターありきのネタを作るひとにしては少々弱い感触ではある。そのぶん物語としてはそれぞれ過不足なくまとめつつ、それぞれちょっとづつリンクさせて5篇とおして登場する人物も織り込む手法が手堅い上手さでしたね2015/04/13