内容説明
安政五年、干鰮問屋・村田屋の手代清吉は、大番頭・久五郎の言に従いあらぬ罪を被って島流しとなる。だが七年後、江戸に戻った清吉を待っていたのは、新興の問屋で主となった久五郎と、村田屋瓦解の現実だった。元南町奉行所与力・小山半兵衛が隠居仲間と解明した「清吉だまし」の絡繰りとは…。老いて益々壮んな定年影奉行が江戸の悪を裁く。
著者等紹介
葉治英哉[ハジエイサイ]
1928年青森県生まれ。青森師範学校本科中退。法政大学文学部日本文学科卒業。著作に『〓(またぎ)物見隊顛末』(第一回松本清張賞受賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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wang
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隠居した同心らが悪人に裁きを下すシリーズ。江戸時代の人々の生活が現実味をもって描かれている。が、剣劇捕り物などアクションシーンがとぼしく盛り上がらないのが欠点。俺は影奉行だと公言してまわっているのも興ざめ。2010/05/30
depo
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図書館本。2024/07/11
zatugei
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江戸の地名(仮名もあるが)、地形をかなり丁寧にたどっていて、おもしろかった。もっともそのために説明がくどくなる面も否定できない。近年の高齢化社会を映して、最近、高齢者を主人公にした小説が多い。これもその一冊。2021/02/20