内容説明
戦況は、いよいよ敗色濃厚。時代の荒波は著者の人生をものみ込んでいく。満洲から帰国し、佐世保海兵団に入隊。訓練に明け暮れていたある日、ついにその日がやってきた。玉音放送―。逸脱者・沼正三の目に敗戦国ニッポンはどう映ったのか。変態としての自分を余すところなく晒し、かつ、激動昭和の知られざる真の姿を描いた名著、堂々文庫化。
目次
秘密の、そのまた秘密の怪話とは？
死に至る病の奇怪な物狂い
感動という名の麻酔効果
同胞愛に殉ずる感激、身の毛もよだつ群衆の恐怖
敗け方にも敗け方がある
軍隊内務の生理状況
逃避せる神、殺戮の一大バーベキュー
なぜ二・二六事件のみニラまれたのか？
軍人にもサムライありて
暑い夏、酷熱の夏〔ほか〕
著者等紹介
沼正三［ヌマショウゾウ］
１９２６年福岡県生まれ。「奇譚クラブ」に連載された「家畜人ヤプー」が三島由紀夫、澁澤龍彦らの絶賛を浴びる。同作は後に大ベストセラーとなり「戦後最大の奇書」と称された（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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