幻冬舎アウトロー文庫<br> 禁じられた青春〈中〉

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幻冬舎アウトロー文庫
禁じられた青春〈中〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 414p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784344410992
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0193

内容説明

戦争は激しさを増し、殺戮戦へと変貌していった。先行き不透明な日本の未来とは裏腹に、著者は変態としての自我を確立していく。防空壕でマスターベーションをする快楽に溺れ、下級生に征服されたいという欲望に身悶え、自殺に対して強烈な憧れを抱く。我が身を持て余した著者は、日本から逃避すべく満洲特殊鉄鋼株式会社に入社するが…。

目次

異常少年の思春期前夜
開戦の熱狂に戸惑いながら
上には上が、下には下が、…
シンガポール陥落、戦勝の美酒に双手を挙げて
“それでも日本人か!”を制した田舎巡査
“あたきゃ、朝鮮人ですけん”
敵は敵を知る、プロたる者の戦い
虚無の底から血が噴き上る
兄への反抗、救い難い弟の劣等感
スパイは売国奴か、解放者か!〔ほか〕

著者等紹介

沼正三[ヌマショウゾウ]
1926年福岡県生まれ。「奇譚クラブ」に連載された「家畜人ヤプー」が三島由紀夫、澁澤龍彦らの絶賛を浴びる。同作は後に大ベストセラーとなり「戦後最大の奇書」と称された(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

憲法記念日そっくりおじさん・寺9条

57
面白い。『家畜人ヤプー』沼正三の自伝だが、この本は元々「天野哲夫」名義で出された本。天野哲夫は沼正三の代理人であったが、後に「沼正三の正体は実は私だ」と言った人。しかし当時からいまだに「天野哲夫は沼正三ではない」と主張する人は多い。という事はこの本も沼正三の自伝ではない可能性大なのだが、だからと言ってつまらない訳ではない。自伝かつ独特な眼差しで書かれた昭和史である。自伝に興味ない人もこの昭和史部分だけ読むと面白いであろう。半藤一利の『昭和史』張りのわかりやすさである。満州に行った著者。お勧め。2014/09/30

しんすけ

3
「集団は変態を造成する」と云う。1930~50年の世界的な兆候であった。ヒトラー、スターリン、ムソリーニ、トルーマン、マッカーシー...と変態を生み出した。現在もその残渣は消えないから、あの時代の狂気を特別のものであったと云うは難しい。『禁じられた青春〈中〉』の背景はそんな時代の前半を描く。 後半では、中国人を人間とは看做さなっかた当時の日本人の姿を描写している。多くの中国人が対日従属に従順で反抗もしなかったゆえに自然に醸成された意識だった。対米従属に反発もしない現代日本人は米国人にとって糞以下らしい。2015/02/04

三田郎

0
戦争に突入。本の中身も上巻の体臭漂う文化史から戦争史、國體観念へと変貌した。リアルな昭和初期の様子は興味深い。2024/12/20

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