内容説明
国民的人気作家が、今度はアフリカ大陸へバクチを打つ旅に出た!ピラミッドも喜望峰も訪れた。だが頭の中は一にカジノ、二にカジノ。勝った金は通貨問題で円にもドルにも両替できないという煮え湯をのまされ、有り金はマシンにのみ込まれて人格が崩れ去る。それでも気力と闘志を衰えさせず、最後に呵呵大笑できるのか!?壮快エッセイ。
目次
CAIRO―ラマダーンのカジノへ
CAIRO―ファラオの呪い
SHARM EL SHEIKH―聖地のリゾート・カジノ
CAIRO―四度目のR・S・F
SUN CITY―太陽の町へ
SUN CITY―カジノの福音
SUN CITY―消費の効用
CAPE TOWN―地の果つるところ
CAPE TOWN―極楽と地獄と
CAPE TOWN―喜望峰に立つ〔ほか〕
著者等紹介
浅田次郎[アサダジロウ]
1951年東京都生まれ。「地下鉄に乗って」で第一六回吉川英治文学新人賞、「鉄道員」で第一一七回直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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taku
28
次郎さんが、こんなギャンブル好きとは知らなかった。物好きオヤジのカジノ巡りエッセイ。カジノ事情や勝負の話しも楽しめるけど、訪れた国にはそれぞれの文化があり、関わる人々の人間性や国民性が語られるところ、日本や日本人を振り返り語るところ、よく遊ぶためによく働くという次郎さんの人生観を感じられるところが魅力。一風変わった旅行記としても面白い。カラー写真も多くお得な一冊。それにしても次郎さん、酒も好きなのかと思ったら下戸だった。カジノで遊んでみたいね。ケツの毛まで抜かれないように注意しなくちゃ。2016/10/13
Kaelu Haruki
15
「金で幸福を購おうとするあまり、人はかえって多くのものを失い、不幸になる。その不幸をさらに金で購おうとして、いっそうの不幸を招く。」 世界カジノ旅打ち紀行のアフリカ、ラスベガス編。浅田次郎さんやっぱり面白い。そして深い。たまに小説を書くギャンブラー、まるで現代のドストエフスキーだ(笑)アラブ圏・アフリカは社会全体のデザインが美しいという。行ってみたくなった。2015/03/04
カンパネルラ
4
アフリカ・ラスベガス編。ギャンブルを通して強引に人生訓にしているが、妙に納得してしまう。2009/08/11
氷菓子
3
カジノは外貨獲得の手段という側面があるため、南アフリカでは外貨を現地通貨に両替できるが、逆は不可能だという。つまりカジノで勝っても円やユーロに戻せないという理不尽。浅田氏一行が身銭と体力を削ってカジノを巡る爆笑紀行文だけど、ところどころに「へー!」と唸らされる豆知識もあって前作に引き続き面白かった。ホテルや旅館を選ぶときは創業年を調べて歴史が古いもので、かつ設備はリニューアルされているところだと老舗の行き届いたサービスがあり、設備も快適というのは納得。2020/10/17
ゆきねこ
3
筆者本人によるギャンブル旅行記。美しい写真と自然の描写に引き込まれました。ギャンブルについての記述は、まるっきり興味がないので、すっ飛ばしながら高速で読み終わりました。アフリカ大陸は、豪奢なホテルがたくさんあるのですね。植民地支配されていた名残と、オイルマネーを消費するための観光地としての価値があるのでしょう。久しぶりに旅行がしたくなりました。2017/09/30