内容説明
興信所の調査員・宮本と美貌の東大生・加奈は、浪人生・昌史を東京芸大に受からせるため、センター試験で完璧なカンニングを実行する。しかし、それは罠だった。全てを失った彼等は、昌史の父親を巻き込んで、復讐のため十億円を賭けたポーカーの勝負に打って出る。入念なイカサマを仕掛けた四人は、決して負けるはずがなかったのだが―。
著者等紹介
五十嵐貴久[イガラシタカヒサ]
1961年東京都生まれ。成蹊大学文学部卒業後、出版社に入社。2001年「リカ」で第二回ホラーサスペンス大賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ミカママ
230
さすが五十嵐さん!ものすごいリーダビリティ!!大きな山場が、試験のカンニングとポーカーの二つあるんだけど、一気に読まされた。ひとりひとりのキャラも秀逸。中でも加奈ちゃんは最高だったなぁ。ラストはまさに、こうあって欲しいな、という大どんでん返し。楽しかったです、ありがとう☆2016/03/21
Tsuyoshi
78
依頼を受け、浪人生のセンター試験において完璧なカンニング工作を行った興信所の宮本。すべてが沢田というヤクザの地上げ工作のために仕組まれた罠だと気づいた宮本が仲間や依頼者達を巻き込み沢田が開くカジノにおいて工作を巡らしポーカーでの復讐戦に挑む展開。500ページ超という分厚さを感じさせないスピーディーでダイナミックな展開から最後のどんでん返しに至るまで、映像化されればかなり面白くなるかもしれないなと思った。 2018/06/29
ちーたん
55
★★★★☆探偵の主人公の元に絵の才能はあるが、頭がからきしの浪人生の親子がやってくる。芸大に入学出来るようセンター試験を突破出来るよう手を回して欲しい。探偵は親友の娘で現役東大生に協力を仰ぎ、完璧なカンニング方法を遂行したはずだったのだが…騙し、騙されの痛快エンタメコンゲーム!登場人物の中に自分も加わってるんじゃないかと錯覚するテンポとスリリングな展開は映像化したら面白そう!!楽しかった!!2018/12/11
カブ
54
ポーカーでイカサマを仕掛けて大金せしめる話。実際にはどうなの?というイカサマも、物語なら楽しめるが、小説だとわかっていても大きな勝負のときには、イカサマがバレちゃうのではないかとか、いろいろ思ってドキドキして途中で読めなくなってしまった。面白かった。2020/02/23
reo
52
巻末の香山氏の解説で映画の「スティング」とジェフリーアーチャー著「百万ドルをとり返せ!」がコンゲーム作品の代表作として紹介されている。以前何かの本のレビューで「スティング」のことは書いたので省略するが、本ではアーチャーのデビュー作「百万ドルをとり返せ!」にとどめを刺す。騙しの面白さでこれ以上の傑作はないと言い切れる。もし読んだことのない方が居られた、是非読むことをお勧めする。この五十嵐作品「Fake」はドタバタ喜劇風な登場人物と気取った会話で笑わせる。ある意味コンゲームのセオリーに忠実な作品だともいえる。2018/09/22