内容説明
「平穏な人生?それが運命なら自分で変えてやる!」そう決意してこぎだした自転車世界一周の道。だが、砂漠地帯で拳銃を持った強盗が―!身ぐるみはがされた後も疾走し、出会いと別れを繰り返しながら駆け抜けた七年半の旅。笑えて泣ける、大興奮紀行エッセイ。
目次
第1章 アメリカ大陸(「金出しな」―一年目・七月;出発前の大騒動 ほか)
第2章 南米(事件―二年目・七月;バスのなかで―二年目・七月 ほか)
第3章 ヨーロッパ(北欧のサバイバル旅―三年目・七月;タイシア―三年目・九月 ほか)
第4章 アフリカ(アフリカ突入―四年目・十二月;青い森―四年目・三月 ほか)
第5章 中東~アジア(運命の傀儡―六年目・十一月;ピラミッドのベスト鑑賞法―六年目・十二月 ほか)
著者等紹介
石田ゆうすけ[イシダユウスケ]
1969年和歌山県白浜町生まれ。旅行エッセイスト。雑誌などに連載記事を執筆するかたわら、「夢」「相互理解」「食」などをテーマに全国各地で講演を行なう(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ヴェネツィア
216
7年4ヵ月に及ぶ自転車での世界一周の旅。走行距離は実に95,000km。自分には絶対にできない旅だ。まずは若くないと行けないし、それにいくら若くても普通はやらない。アンデスを越え、サハラを疾駆し、シルクロードを走破する。ペルーの砂漠では強盗に襲われ身ぐるみ剥がれたり、一方また世界のあちこちで親切と真心を手に入れたり。旅は実に様々なスタイルがあるし、彼には彼のベストのスタイルがこれだったことが十分に伝わってくる。世界を一周して、最高はメキシコのティカルであったらしい。その神秘的な地にぜひ行ってみたいものだ。2013/06/24
小梅
139
月イチテーマ旅週間。自転車で7年半かけ9万5000㎞の旅行記。最初の自転車に積んだ荷物の重さにフラフラして…本腰を入れ走り出すまで何日もかかった。凄くリアルにイメージできました。椎名誠さんの解説にあるように、読みやすい文章である。何より読後感が素晴らしい。1番心に響いたのはキノコ売りのおじさんでした。読み終えてからもう一度冒頭の写真を見直しました。他の作品も是非読みたいです。2018/03/22
HIRO1970
101
⭐️⭐️⭐️旅物語が滅法好きな方であり本書の題名から若造の生意気さすら感じつつ、どの程度のレベルの旅なのかちょっと確認だけしようかなと軽い気持ちで読み始めました。この一冊の文庫本が何と7年4ヶ月もの長期に渡る世界一周の自転車旅のダイジェストであることを最後まで読み切って驚きとともに知りました。印象に残ったのは数々の終着点で喜びよりもむしろ哀しみに近い感情を憶えていたこと。煩わしくまた喜びが倍増するのが人との出会いである事。最期の方は探し物は自分の中にあるのかも知れないと気付きつつあるように見えました。2014/07/15
おいしゃん
97
読友さんオススメ本。自分も同じく、旅好きにぜひ勧めたい一冊となった。とにかく熱くて、長い、自転車世界一周の旅記録。なにせ7年間である。一人ひとりとの出会いが濃厚で、一気に読むのが勿体無いくらいなのだが、疾走感溢れる文章に、結局一気読みであった。2015/11/02
サンダーバード@永遠の若者協会・怪鳥
85
「読まずに死ねるか」と言ったのはあの内藤陳氏、そして「行かずに死ねるか」と言って世界に飛び出たのが彼。紀行文は好きで、「一人〇〇の旅、××キロ」みたいな本は良く読むのだが、これはちょっと桁が違う。7年半、95000キロに渡る旅だ。アラスカで見るオーロラ、モニュメントバレーの光の造形、グアテマラのティカル遺跡。そしてなんと言っても旅先で出会う人々との触れ合いと別れ。週末にちょっと出掛ける「観光旅行」では決して味わうことが出来ない経験。真似したくとも最早出来ない。解説があの椎名誠さんというのも嬉しい。★★★+2015/11/10