内容説明
父の弁護士事務所に勤めていた澄絵。自分より五つ年上の二十六歳の美しい女が父の後妻になった。盗み見た寝室。澄絵は父に抱かれていた。一糸まとわぬ姿態と喜悦の声で。悶々として気が狂いそうだった。だが最近、澄絵の様子が変だ。そして知ってしまった秘密。いま、憧れの継母の白い裸体が目の前にある。「二人だけの秘密を持とう、継母さん」。
著者等紹介
藍川京[アイカワキョウ]
熊本県出身。福岡女子高校卒業後、現代文芸研究所の田端信氏に小説の指導を受ける。1989年、『卒業』(のちに『華宴』に改題)で作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
毒モナカジャンボ
0
団鬼六に代表される誘拐→弱み一点突破→調教パターンのSMだが、地の文における繊細な言葉の選び方と形式から僅かに逸脱した台詞回しにより、団鬼六のそれとは別の雰囲気が立ち上る。調教される女への眼差しの違いだろう。徹底的に女性を奴隷化する姿勢がそのまま女神崇拝に裏返る物神崇拝にも似た団鬼六の倒錯の美学に対し、藍川京においては調教者達が調教対象に他者としての距離を保ち、決して性欲のみに従うわけではないために崇拝の倒錯は現れず、女性の屈辱的発情はある程度人間の形を保ったまま現れる。フロイト的なことは言いません。2020/03/03