内容説明
卜部大造が急死した。すぐに後任の教授選が始まり実川も名乗りを上げる。折しも、実川のもとに脳死肝移植の依頼が飛び込んだ。成功すれば間違いなく教授の座を射止められるが、失敗すれば万事休すだ。一方、当麻の身辺も慌ただしくなる。翔子の父大川町長は肝硬変が進んで危篤に陥った。当麻は肝臓移植が救命し得る最後の手段だと告げるが…。
著者等紹介
大鐘稔彦[オオガネナルヒコ]
1943年愛知県生まれ。京大医学部卒業。早くより癌の告知問題に取り組み「癌患者のゆりかごから墓場まで」をモットーにホスピスを備えた病院を創設、手術の公開など先駆的医療を行う。「エホバの証人」の無輸血手術をはじめ手がけた手術は約六千件。現在は淡路島の診療所で僻地医療に従事する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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nobby
123
片や突然訪れた死、一方で予定調和で迎える死、その間際に見せる本望あるいは本能からの言動が切ない…それを契機に教授選や功労者の急変など、実川・当麻とも依然落ち着かない。そんな中で、禁断の生体肝移植に向けて同じドナーが舞い込むのは2人の技術そして人望故か…その互いの立場から、混迷することなく方針決まってからは、今度こそ妨害なく手術に行き着いて欲しいと先が気になるばかり!相変わらず手柄や妬み入り乱れ、揚げ足取りばかりに熱意帯びるマスコミや病院内の様子には辟易するばかり…まずは誠意の強行の吉報を確認すべく6巻へ!2019/08/04
Tsuyoshi
67
シリーズ5作目。日本初の脳死のドナーからの肝移植を成功させるものの、倫理面やプロセスの問題から各方面から叩かれてしまう当麻。前巻同様出る杭は打たれる日本の風潮には何ともやるせない気持ちになってしまう。そんな中で台湾の同士から転院の誘いが来た当麻。物語はいよいよクライマックスへ。2018/08/12
キムトモ
47
いよいよ当麻先生執刀開始いろいろ策打って執刀が始まりましたが…もちろん成功はするのだろうけどその後の始末が大変そうです_| ̄|○当麻にもきっとモデルの方がいると思うし、バチスタシリーズにも天才医師が出てくるが…天才医師って実在するんだなぁ〜〜とも思ってしまった…(ノ-_-)ノ~┻━┻美女が沢山登場するが…彼女らを惚れてしまう男子の気持ちの描写がしっくりこない…2019/04/24
りずみぃ
38
ついに敢行される脳死肝移植。法整備もガイドラインもない時代、人伝てにドナーとレシピエントが繋がっていた事にものすごく驚く。「子猫欲しい人いないかな?」「友達、欲しがっていたから聞いてみる」みたいな。執刀医や一病院にとってはリスクが高すぎるし、やはり臓器移植法の制定はすごく大事な事だったんだと知る。このシリーズは、少し前の医療の話なので、医療関係者達の苦悩や奮闘が、今の医療に繋がっているのがわかって面白い。2018/05/04
のあ
29
どんどんストーリーが展開されて進んでいく。読み応え抜群。実川先生の立場が大きく変わり、当麻先生の理想が現実されようとしてる今作。命と向き合う人達の熱い物語。臓器提供、ドナー登録をしようとより強く思った今作でした。2019/02/16