内容説明
大志を抱き、二十三歳で単身フランスに渡った著者が、夢に体当たりして掴み取ったものとは?「早くゴールしないほうがいい」「効率のいい生き方をしていると、すり切れていってしまう」。激流のように過ぎゆく日々をくぐり抜けたからこそ出てくる、熱い言葉の数々。料理人にとどまらず、働く全ての人に勇気を与えたロングセラー、待望の文庫化。
目次
フランス 一店目
フランス 二店目
フランス 三店目
フランス 四店目
フランス 五店目
フランス 六店目
東京 コート・ドール
著者等紹介
斉須政雄[サイスマサオ]
1950年生まれ。73年よりフランスに渡り、フランス料理界に十二年間身を置く。86年、「コート・ドール」の料理長に就任。92年からはオーナーシェフとして活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はっせー
67
仕事について考えたい人や食べることが好きな人に読んで欲しい本になっている!斉須政雄さん。コートドールの料理長を務めている方。長年フランス料理界を牽引している。そんな斉須さんが若かりし頃、フランスに単身修行に行き、そこで得た知識や考え方をまとめたのが本書になっている。久しぶりの仕事論についての本であったため新鮮であった。そして斉須さんの考え方も真似したい部分があったため読めて良かった作品になっている!2024/03/03
yumiha
49
吉岡里帆のEテレ『理想的本棚』という番組で紹介されていた『十皿の料理』が図書館になかったので、同じ著者の本書をチョイス。全くレシピなんか載っておりませぬ。むしろ著者は、レシピの微調整こそ大事だと言っておられた。また、「失敗したり間違えたり、正規のラインからガタッと外れた時や安全を失った時にこそ、意外と新しいアイデアがズバッと出てくる」というのも、納得できた。そんな経験を料理以外の領域で何度かしたことがあったので。また、レシピ通りに何g何ccとか何度で何分とかに頼ってしまいがちな私を封印しよう。2022/03/24
つねじろう
47
そう斎須さんは料理界のサムライです。人を喜ばせる事が大好きだった少年はその実現手段として料理の道を選びます。夢を追いかける青年はホテルで出逢ったフランス人シェフに頼み込みフランスに渡ります。23歳、フランス語はボンジュールしか話せません。それから12年間六つのレストランで修行し六つの戦場で闘ったお話です。言葉が分からない時分は食材と話したと云い料理は自分の言葉だと云う。裾野が広くない山は高くなれないから日常生活を大事にしなさいと教えてくれる。読むと仕事に対する姿勢や楽しみ方分かるかも、心に滲みる本でした。2014/11/05
カブ
34
「愛が最も気高く最も神聖な行為であるのは、愛がその中に愛でないものまでも包み込んでいるからだ」この言葉が料理でもそうんなんだというくだりが印象に残った。2014/12/04
ジュール リブレ
33
読了後に、食べログ、ひいてみました。堂々のTOP100。4.27。客単価は2-3万円と、さすがに通えたり、おなじみになったりは難しそうですが、一度行ってみたいな、とあらためて思わされました。フランス修業時代の一店、一店の思い出が書き連ねられています。下積みの辛さも、その背景を体得しながら大きなものを得ていく。そんな姿が、今につながる。栄華は一日にしてならず、努力の積み重ね。2015/09/03