出版社内容情報
15歳の夏、恐ろしい病魔が少女から青春を奪った。数々の苦難が襲いかかる中、
日記を書き続けることが生きる支えだった。
最期まで懸命に生きた少女の言葉が綴られたベストセラー。
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- 評価
COSMOS本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
青乃108号
183
難病を負って健気に生きる少女の日記を基に構成された本。表題「1リットルの涙」は前半1/3辺りで記述されている。その計算で行けば最後には3リットルもの涙を流した計算になる。実際、この子は良く泣く。転んだといっては泣き、リハビリの辛さに泣き、将来の不安に泣く。ところで文章はというと部分的に不自然な程に大人びた表現が散見され、別人による手直しが入っているのでは、と思われる。俺はひねくれているので、この本は一体どういう読者層にあてた本なのかと不審に思う。病んでいる人は読んではいけない。マイナス方向に引っ張られる。2024/10/08
zero1
140
生きることは奇跡。普通に生きる我々は難病患者から見れば超能力者。私を含め多くの人はそれに気がつかない。高校に合格した少女を難病が襲う。脊髄小脳変性症だった。歩けず書けず言語障害のため会話も困難に。絶望の次にまた絶望。それをしっかりと記録した一冊。印象に残る文章が実に多い(後述)。特に母親と医師の決意は読む価値あり。本書を【難病でしょ!お涙頂戴でしょ!】と思うか。それとも多くのことを学ぶか。あなたはどっち?本書を読めば自分の悩みがいかに下らないか分かる。才能ある彼女が早逝。凡人の私が長く生きるのは不公平。2021/04/11
カピバラKS
93
●葬送のフリーレンで僧侶ハイターは孤児となり自死を選ぼうとするフェルンに対し、死ぬのは「もったいない」と語る。自殺抑止の方法は、ハイターのように自殺志願者に対し、人生の一回性を納得させることだが、これがなかなか難しい。●とはいえ、本書の読者は自死を選べるのか。体力等の成長著しい青年期に、他人と真逆で難病により体が衰えていく。未来が絶望的でも、リハビリ等に励み生を望んだ若き女子を顧みれば、自死は余りにもったいない。ストップ自殺の神本である。2024/09/18
てち
90
泣くことは、周囲の人をいやな気持ちにさせ、自分自身もむなしくなる。たしかに、そうなのかもしれない。でも、誰にでも泣きたい時はある。そういう時は泣いてもいいのだ。泣くことは逃避ではない。泣いた後、どう向き合うか。それの大切さがわかる作品だ。2020/04/28
納間田 圭
74
実話です。サブタイトルは…難病と闘い続ける少女亜也の日記。15歳の中学生だった彼女は…それでもしっかり自分の人生を生き抜いた。亡くなったのは…25歳。だんだんと運動機能が無くなって行く悲しく酷い病気…不治の病と言われる脊髄小脳変性症。彼女は日記にいく度か書いている…「病気はどうして私を選んだのだろう」と。病院のトイレで転んだ時に…三十代くらいの母親が小さな男の子に囁いた…罪の意識がない一言。とうとう言われてしまった。「いい子にしてないと…あんなふうになっちゃうよって…」…なんてなんて氷のような一言(涙)2019/04/01