内容説明
娘はたった9日間しか生きられなかった…。医療事故で生後間もない娘を失った普通の高校教師の痛切な訴えが厚生労働省・病院・医療制度を変えていった。医療問題弁護団の弁護士たちが涙し、NHK「クローズアップ現代」やTVドラマ「白い巨塔」のスタッフが参考にした心ふるえる医療裁判ドキュメント。
目次
第1章 命―つながり(一審判決の日に;青春時代 ほか)
第2章 真―からくり(看護記録の改ざん;なぜ医療裁判は勝てないのか ほか)
第3章 心―こだわり(玉虫色の鑑定;裁判官交代と和解勧告 ほか)
第4章 夢―ひろがり(レセプト開示の意味;最高裁の変化 ほか)
著者等紹介
勝村久司[カツムラヒサシ]
1961年生まれ。京都教育大学天文学教室卒。高校教諭。長女の医療事故をきっかけに様々な市民運動に関わる
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
リョウ
3
医療過誤とその後の裁判、行政との交渉をもとに、医療制度、裁判制度の杜撰さを指摘する。ことの発端は利益主義に走った公立病院で過度の陣痛促進剤を何ら同意なく投与され、正常な出産ができずに退治が死亡するに至ったというあまりにも杜撰なケース。しかし、それを糾弾する中で、まわりの制度まで変えていかなければ、また同じような事故が起こると言うことがわかり、レセプトの開示などの制度作りにまで話が及ぶ。素人のわからない密室で医療が行われるだけに、外からチェックできるような機能が必要ではないだろうか。2014/04/12
うたまる
1
「お前ら、いつまで、何人子どもを殺すつもりやー!」……医療事故で愛娘を喪った高校教師による民事裁判の記録。巷間、モンペとかクレーマーとかがあっちこっちで社会問題になり、そのせいで現場が萎縮していると聞く。でも、ちょっと待て。そもそも権威的な立場を悪用し、国民を泣き寝入りさせてきたのはどこの誰なんだ。決して医療だけの話ではなく、この国のいたるところで専門家や指導者がやってきたそのツケを今支払わされているのではないか。自分も加害者や被害者になり得ることを承知で言う。萎縮するくらいで丁度いいんじゃないのか、と。2021/10/11
やんちょこ
0
衝撃の内容。まさか、のそのまさかの連続。こんな医療機関や医療従事者が存在することに恥ずかしさを覚えると同時に、じゃあ自分の所はどうかと思い返すと、ここまでではなくても構造としては同じものがなきにしもあらず。医療の在り方を根本的に考え直していく必要がある。そのためには被害者はもとより、現場から声をあげないと。2013/12/21
ぱぱりふ
0
医療を目指す皆さんにはぜひ一度読んでほしい本です。愛娘を医療事故でなくされた勝村先生の思いのこもった本です。医療によって人が亡くなる。患者さんを癒したい、そう思っている医療者にとって、本当に悲しいことだと感じます。ですが、人間だから100%ミスしないということは無理かもしれません。お互いの信頼を強めていくために、透明性を高めることが大事だと感じます。勝村先生はうちの大学にも講義に来てくださり、本音で話して下さる方でした。2010/12/18
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