内容説明
東京で教師をしていた隆之は、視力を徐々に失っていく病におかされ、職を辞し、母が住む故郷の長崎に帰った。そこへ東京に残した恋人の陽子がやってくる。この先の人生を思い悩む隆之。彼を笑顔で支えようとする陽子。ある日、二人はお寺で出会った老人から「解夏」の話を聞く―。表題作他、人間の強さと優しさが胸をうつ、感動の小説集。
著者等紹介
さだまさし[サダマサシ]
1952年長崎市生まれ。国学院大学中退後、72年に「グレープ」を結成、「精霊流し」「無縁坂」などが大ヒットする。グレープを解散後、シングル「線香花火」でソロデビュー
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yoshida
241
中編を4編収録した作品集。家族の愛情、再生、そして懸命に活きて苦しみから立ち上がる姿が描かれています。「解夏」での婚約者の優しさ、教え子達からの手紙に強く胸を打たれました。「秋桜」でのアレーナへの義父の優しさ。そして最後の場面での義母の優しさに感涙でした。「秋桜」をアレーナに例え迎える義母の姿に、アレーナのこれからの幸せを確信しました。さだまさしさんは、歌手のもイメージが強く著作を読むのはこれが2作目です。2作品とも、人の優しさと愛情に満ちあふれていて、読後感の暖かい作品が揃っていました。他作も読みます。2017/01/24
とし
166
電子書籍で読了なので「サクラサク」のみですが、夫婦、子供、痴呆症の父と家庭不和を抱える一家が、旅を通して家族が一つに繋がる短編、身近にあるような問題で感動、胸が熱くなりますね、他3編も是非読みたい。2015/03/27
Die-Go
157
駅内無料図書。さだまさしによる中編小説集。失明の恐怖と戦いつつも心に思い出を刻みつける「解夏」。フィリピン人が農家の妻として受け入れられていく過程を描く「秋桜」。若い時分に別れた幼馴染みであり恋人であった人との子どもとの交流を通して失った故郷との邂逅を描いた「水底の村」。痴呆の症状を顕した父との交流を通して壊れかけた家庭が再生していく「サクラサク」。どの話も優しく心暖まるものだった。また、重松清による解説も秀逸。★★★★★2017/12/10
おしゃべりメガネ
143
既に映像化されている表題作と「サクラサク」を含む4編からなる短編集です。表題作の内容はおおざっぱにしか覚えてなく、改めて読むとベーチェット病のコトを少なからず知る良い機会になりました。個人的に「水底の村」がとても素晴らしく、ココロにしみました。作者さんの歌声同様にそのままの温かいキモチがしっかりと文章にも綴られ、健やかな読了感を得るコトができました。きっと、人は早かれ遅かれ、どこかで今までの自分にサヨナラしなければならないのかなと。ネガティブな意味ではなく、まっさらなキモチで、新たな自分と向き合う意味で。2021/08/06
サンダーバード@永遠の若者協会・怪鳥
142
表題の「解夏」をはじめとする中編が4作。上手いなぁ、さださん。元々歌詞には定評があって、歌を聴いていると情景が目に浮かぶ。そんな感じなのですが、小説も良かった。人の心の優しさ、強さ、あるいは脆さ、そういったものを描くのが上手い。もっとも、世の中優しい人ばかりではないし、人の心はそんなに強くはない。上手く出来すぎたラストばかりなのは気になりますけど、読み終わってほっと心が安らぐそんな話でした。★★★★2014/05/12
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