内容説明
アメリカ人は「自由」という言葉をことさら好むが、これは「勝者は敗者に何をしてもよい」という自由だった!すさまじい拝金主義、はびこる人種差別、世界一高い医療費、割り算のできない学生がいっぱいの名門コロンビア大、年々広がる貧富の格差、銃を野放する殺しあい社会…なのに、そんな自国が大好きなアメリカ人を、冷静に論じた快著。
目次
第1章 誰のための好況か?―繁栄の果実を味わえない中産階級(市場がすべてを解決するのか?;二極分化が落とす危うい影;富裕層だけが得をする税制)
第2章 危機に瀕するデモクラシー―自由の国・アメリカの「真実」とは(国家という名の権力装置;政治と銃の蜜月が「自由」を蝕む)
第3章 米国は平等なのか?―実験国家のルールと構造(決して模範的とはいえない訴訟社会;消えぬ人種差別)
第4章 「一人勝ち」の代償―競争社会に潜む「リスク」を測る(弱者切捨ての医療福祉は米国の恥部;教育制度の死角)
番外編 リストラ体験レポート
著者等紹介
小林至[コバヤシイタル]
1968年東京都生まれ。江戸川大学助教授。92年、東京大学経済学部卒業後、練習生を経てドラフト8位で千葉ロッテマリーンズに入団。翌年退団。96年、コロンビア大学経営大学院修了(MBA)後、2000年までフロリダ州のテレビ局に勤務
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感想・レビュー
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ミカママ
5
さすがに東大出だけあって、難しいことをわかりやすく説明してくれている。とくにアメリカ医療の問題点の部分とか。最後にご本人がゴルフチャンネルより解雇されたくだりが暴露されていて、あーそうか、それでうらみつらみのバイヤスかかってるのかな、とも思いました。でもおもしろかった。アメリカに住んでるのが怖くなるよね。2012/10/16
レオンハルト=フリードリヒ=ソートイ
3
日本人著者が経験したアメリカでの生きづらさを書いた本。アメリカ映画は好きだが、ここで書かれているような白人至上主義を考えると、見る目が変わってしまう。作者はマジメなのか、遊びがないのが残念です。2011/09/19
sgnfth
3
面白かった。ところどころ著者の恨み辛みがふき出してるところも含めて2010/02/26
koishikawa85
2
賛成できない部分もあるものの、自らの実体験に基づいているだけに面白い。2012/01/08
よゆめ
1
医療制度関連の記述を読んで、シカゴで勤務していたとき上司のお嬢さんが腹痛で救急車で搬送された時のことを思い出した。薬の処方を受けて症状が治った後、受け取った請求書に「妊娠検査XXXドル」の記載があったそうな。8歳の娘に何で妊娠検査をしたのか?と問い詰めたら、「知らないのは親だけだ」と言われたそう。実際に同僚のアメリカ人と話をすると、筆者の記載のとおり皆、共働きでそれなりにしんどそうだった。古本屋で小林至の本を見つけて興味を持ち、購入。20年以上前のアメリカだが、今と比較してもあまり変わっていなくて面白い。2023/08/04
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