内容説明
西暦一九九七年、東洋の全体主義国家、大東亜共和国。城岩中学三年B組の七原秋也ら四十二人は、修学旅行バスごと無人の島へと拉致され、政府主催の殺人実験を強制される。生還できるのはたった一人。そのためにはただクラスメイト全員を殺害するのみ―。現代日本を震撼させたジェットコースターデスゲーム・ノヴェル、ついに文庫化。
著者等紹介
高見広春[タカミコウシュン]
1969年兵庫県生まれ、香川県育ち。大阪大学文学部美学科卒業、日本大学通信教育部文理学部中退。四国新聞社で五年間勤務後、『バトル・ロワイアル』でデビューした
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感想・レビュー
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Tetchy
62
42人の男女入り混じっての孤島での殺戮ゲーム。キャラクターそれぞれは個性があるものの、正直云って非常に稚拙だ。本当に素人が書いた文章で、話、設定ともに実にマンガ的。いや文字で書いた漫画を読まされているような気になる。しかし抑圧された国家の統治下で無理やり殺戮を強いられる中学生たちが国に対して叛乱を起こすまでの人間讃歌というのが本書のテーマなのだが、中学生が無人島でクラスメートを殺し合うというあまりに煽情的な内容が先走り過ぎている感は否めない。この小説にはそのアクの強さがどうしても先に立ってしまう。2013/04/26
あっか
61
もう何年ぶり!?という再読。10代の頃に読んだきりだったけど今読んでもめちゃくちゃ面白いわ…引きずり込まれるように一気読みしてしまった。小説としては独特の表現というか文体というかリズムがあって(カッコ書きの中とか、誰の台詞?と思う心の声とか)それが上手いことバトロワワールド、高見広春ワールドになっている。このご時世下、色々思うこともある。映画も、小説を上手く2時間にまとめてアレンジも上手くハマっていて作品としても良作で大好き。←バトロワ、悪の教典が映画も原作も大好きなんだけどそれを言うと変人扱いされる…笑2022/05/10
ゆう
45
10数年ぶりに再読。修学旅行の最中にバスごと無人島に拉致され、クラスメイトで殺し合う政府実験に強制参加させられた城岩中学3年B組42人。生き残れるのはたったひとり。当時原作より先に映画を観ていて、汗びっしょり、川田役の山本太郎氏と桐山役の安藤政信氏の15歳はなかなかの老け…失敬、落ち着き具合、まあクラスで異質なあの2人なら彼らもありか…と思った覚えが。しかもかなり配役を覚えているので、頭の中の映像再生はバッチリ。千草貴子の「あたしの全存在をかけてあんたを否定してあげる」が個人的ベスト名セリフ。残り21人。2019/12/15
金吾
37
なかなかすごい話です。こんな国は嫌だなあと思いました。七原くんはあまり好きなタイプではありませんが、それぞれの人の個性がはっきりしていて面白いです。禁止エリアや最終的に殺しあわざるをえない設定もすごいと感じました。2023/11/17
ちゃむほ
36
小学生の頃何回も読みました。クラスで殺し合いという思い椅子取りゲーム。当時は想像してはゾッとなりました。あまりよろしくない内容ですが、つい一気に読んでしまいます。また主人公だけでなく、1人1人にも焦点あてているので面白かったです。詳しい感想は下巻で書こうかな。それにしても、桐山くんかっこいいな。不良だし、すぐ人を殺してしまうキャラですが何故かお気に入りです。2014/03/12