内容説明
時は漢の武帝の治世。大月氏国と軍事同盟を結ぶべく、張騫は西域へ旅立った。匈奴が出没する大草原。そして、炎熱の大砂漠。不屈の冒険者・張騫の旅は十余年、二万キロに及び、その足跡はひろく西アジア全域に刻みこまれた。それはぶどう酒や汗血馬の発見につながり、シルクロード開拓の原点となる壮挙であった。長編歴史小説。
著者等紹介
桐谷正[キリタニタダシ]
1951年富山県生まれ。同志社大学文学部卒業。89年、「高漸離と筑」で第14回の歴史文学賞佳作を受賞。おもな著作に、『始皇帝を撃て』『驪山の夢』などがある
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感想・レビュー
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BIN
4
武帝の時代に西域の大月支国に使者として派遣された張騫を描いた作品。当然のごとく匈奴に捕まって10年かけて大月支国に到達するところまでがメイン。馬の有能さがよくわかる。張騫がもたらした情報が中国の発展に寄与した効果は大きい。甘父が記したざっくりした地図でも載せてくればよかったのだが。2013/12/28
よひとかっぽ
3
BC130頃の前漢時代、武帝の命を受け大月氏国をめざした男の物語。エンタメ感満載の冒険譚として読める。紆余曲折を経ながらの旅は優に2万km超え。移動手段は馬・駱駝の時代、乾燥帯で地理、民族情勢も不明。その足跡を謂うと、スケール感と後の世界史に与えた影響は半端ない。2022/02/17
よっちゃん
2
思ったよりも読みやすかった。しかし命懸けの過酷な人生。あの時代に大変な苦難が・・・2016/07/20
ひの字
1
幸せな結末の李陵、というのが感想である。張騫と李陵では50年ほど違うのであるが武帝の時代という点では共通点がある。張騫と李陵、そして蘇武、この三人の対照的な人生を思う。