内容説明
台湾の小籠包、二月のニラブタ、とれたてのいんげん豆のバター炒め、アメリカのアップルパイ…。とっておきの味との出会いは、とっておきの人との出会いと同じくらい忘れ難いもの。「見栄えも量もいいかげん。味さえよければすべてよし」を自己流料理のモットーにする著者が、世界中で出会った美味しい思い出。好評エッセイ集待望の文庫化。
目次
1 やけ酒のご利益(酒と反省の日々;やけ酒のご利益;ひとり暮らしの極意 ほか)
2 白い花束赤い花束(寝床いらず;落とした肩;薬の友 ほか)
3 おいしいおしゃべり(『飛ぶ教室』と私;さらば引っ越し;インタビュー心得 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
390
食エッセイかと期待したが、食に関する内容は前半のみ。わたしも勝手知ったる台北の「鼎泰豊」訪問記は嬉しかった。今では聞き上手の第一人者である彼女、インタビューを始めたころの逸話とそのコツを書いてらっしゃる。大いに参考にしたい。それにしても、小学生で母に連れられて「和光」かぁ、東京の子にはかなわないわ。かくいうわたしには、未だに銀座の敷居が高い。2018/11/10
えみ
65
明るくて元気があって、多少のことじゃへこたれず、むしろ笑い話にできるメンタルの強さ。やはりこれは日本に留まることなく海外に出て行き、様々な経験を積みながら多くの人にもまれた結果なのか。阿川佐和子さんのエッセイ。毎度のことながらこちらまで楽しくなる小噺や、超ポジティブな思考、大胆不敵な行動など‥本当に話題に尽きない方。テーマを考えるだけでも大変そうなのに読者を引きつける内容をきっちり抑えている。頭の回転が速いのだろうなぁと切れ味の鋭い文章を読み、驚きを隠せず思う。食事と海外暮らしが美味しいをつくる一冊!2022/08/13
あつひめ
61
阿川さん3冊目。テレビで目にする阿川さんそのままのような気がしてとても嬉しかった。自分の目で見るものと書かれているものがあまりにも違い過ぎたら…ね~。テニス、スキー、音楽鑑賞、編み物、織物、料理…何でもござれの阿川さん。阿川さんのような女性ならお見合いがひっきりなしにあってもいい気がするのになぁ。今年還暦を迎えてしまう阿川さん。自立している女と強い女は違う気もするし、阿川さんはチャーミングな部分を持っているし。素敵なオネーサマなんだけど。タイトルのように料理の話がメインではないけどとても楽しめた。2013/01/13
ユメ
50
阿川佐和子さんの著書を読むのは初めて。幼少期の思い出、アメリカ生活の様子、美味しいもののことなどが綴られたエッセイは、テンポのよいおしゃべりを聞いているような読み心地で、軽妙なオチにふふっと微笑むことを繰り返しているうち、親しい友人と話しているような胸襟を開いた心待ちに。ケストナーの『飛ぶ教室』についてのエッセイを読んだら、この作品を読み返したくてたまらなくなった。阿川さんのおしゃべりが、私の思い出も連れてくる。誰に相談されても必ず勧めたい本を一冊持っているというのは、幸せなことだなあと思う。2017/07/11
無花果
42
うふっ、やっぱり阿川さんのエッセイは面白いね。食べ物、旅行、アメリカでの生活など多岐に渡る内容。エッセイを読んでいて私は阿川さんのお父様が結構好き。厳格な父なんだけど、かなり阿川さんにいい影響を与えたんだなぁ~と思う。阿川さんの文面からも家族愛を感じるんだよね。まぁ、私の勝手に阿川家に思い入れが強くなってるだけかもしれないけど。2015/02/05