沈黙の患者

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沈黙の患者

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  • サイズ 46判/ページ数 232p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784344046399
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

「あのまま一人で焼け死んでくれていたら……」
真面目に生きてきた人が、陥穽にに落ちる時――。
「高齢化社会×犯罪未満」をテーマにした傑作心理サスペンス。
デビュー10周年の現役医師作家の新境地!

「沈黙の患者」
まだらぼけの母がボヤを出し、介護に悩まされる、バツイチでビルの清掃員として働く56歳の早智。近所の鷺沼に唆されて、「認知症の母」をレンタルして介護保険を騙し取ってしまった。500万という大金に最初は喜ぶ早智だったが、鷺沼が“念書”なかなか返してくれず、焦り始める。念書に使ったのは息子の名刺だったのだが、その息子は……。

「ニセの語り部」
『わたしたちの戦争を語り継ぐ会』のスタッフ・早苗は、88歳の語り部・兵頭の“語り”に感動して涙し、その語りを広めようとする。しかし兵頭は年齢を高く偽っている、彼の記憶は借り物ではないか、という噂が流れる。早苗は必死に彼を庇おうとするが、SNSでの攻撃が始まってしまう。

「王子様の不親切」
医学療法士・村上は訪問リハビリサービスで担当する87歳の御影さんに「王子様」と呼ばれ、色々頼られている。しかし、“お金”にまつわることで、どうしても引き受けられない頼みを断ったことから、担当を外されてしまう。どうすればよかったのか――答えの出ない村上は、別の利用者からあることで、現金を預かることになり、動揺する。

「夕暮れの善意」
子ども食堂のボランティア・春菜は、ある日訪れた老人・寺尾と“孫”メグの仲睦まじさに心温まるものを感じた。しかし、寺尾は見ず知らずの少女を連れてきているのではと疑惑が持ち上がる。面倒ごとに巻き込まれたくない春菜はスルーしようとするが、彼の家を訪ねた際、不審なアルバムを見つけてしまう。

「シル専の女」
79歳の父に58歳の「恋人」ができた。父が騙されているのではないかと疑うアラフィフ独身姉妹の美穂と江里。恋人・淳子の入れ知恵で父が通院もせず降圧剤を飲んでいないことなどを知り、二人を無理やり別れさせる。しかし、父はそれを境に生きがいを失い、みるみる体調を崩してしまった。江里はこんなことなら認めればよかったと嘆くが……。


【目次】

内容説明

高齢化社会×犯罪未満?「あのまま一人で焼け死んでくれていたら…」真面目に生きてきた人が、陥穽に落ちる時―。傑作心理サスペンス。知人に唆されて”認知症の母”をレンタルして、介護保険金を騙し取ってしまった独身中年の娘。―「沈黙の患者」。こども食堂に”他人の孫”を連れてきて、甲斐甲斐しく世話を焼く老爺に疑問を持つ女性スタッフ。―「夕暮れの善意」。年老いた父親が若い女性と付き合っていると知って、無理やり別れさせようとする中年姉妹。―「シル専の女」。決して他人ごとではない、日常を蝕む5篇の物語。

著者等紹介

南杏子[ミナミキョウコ]
1961年徳島県生まれ。日本女子大学卒。出版社勤務を経て、東海大学医学部に学士編入し、卒業後、慶應義塾大学病院老年内科などで勤務する。2016年『サイレント・ブレス』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

itica

65
作品「サイレント・ブレス」の主人公である医師の水戸倫子と看護師のコースケが何らかの形で関わる5編。登場する老人たち又はその家族は困ったちゃんなのか、それとも切実なものを抱えているのか迷うところである。現実に起きていることかもと思うと笑えないし、老後が心配になる。南さんにしては胸がざわつく短編集だった。 2026/10/05

ゆっき

31
これは犯罪なのか。他人ごとではない、高齢化社会の心理サスペンス。表題作の「沈黙の患者」はこんなことがあるのかという衝撃。唆す知人が一番悪い。でもやっぱり越えてはいけない一線はある。近い将来親の介護が必要になったらしっかり向き合わねば。年老いた父親のために画策する中年姉妹の「シル専の女」も印象的。本当に何が正しいのか、もう分からない。精一杯のことをやってくれる倫子先生のような先生に出会いたいものです。2026/09/27

柊子

10
「シル専の女」が良かった。彼女は天使なのか、悪魔なのか…分からないままのラストが面白い(悪魔なんだろうなあ)。妻に先立たれた高齢の男は物悲しい。娘たちと心が通じ合う訳でもなく、故に、他者の優しさにたやすく溺れてしまう。実社会でも中年女が、高齢男を手玉に取る事件は時折見聞きする。うちの夫は大丈夫か? 優しくしてくれる女に、我を忘れて騙されるかもなぁ。ま、私が死んだ後のことなど、どうでもいいわ。2026/09/23

toshi

7
ちょっと後味が悪い感じの短編集。 出版社が同じだったので勝手に「いのちの・・・」のスピンオフかと思ってたけど違った。 どの話にも訪問医の水戸倫子がチョイ役で登場するけれど、連作と言うほどの関連は無く独立した作品になっている。2026/10/05

chuji

3
久喜市立中央図書館の本。2026年9月初版、幻冬舎。初出、タイトル作は幻冬舎文庫『謎解き診察室、本日も異常あり』(幻冬舎文庫)所収「サイレント・ペイシェント」を改題。他は小説幻冬2025年11月号、26年1月号、3月号、5月号。それぞれ加筆修正。作家デビュー10周年・五編の連作集。2026/10/06

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