出版社内容情報
最高軍事機密「戦艦大和」、建造始まる!
希望の光か、時代の徒花か――。第二次世界大戦目前、大艦巨砲主義から航空主兵主義へと戦略思想が移ろうなか、米英海軍に対抗するため計画された世界最大最強の戦艦建造。
絶対不可能と目され、54名の殉職者を生むこととなった大プロジェクトに挑んだ青年たちは何を夢見ていたのか?
戦後80年を機に、歴史小説の第一人者が万感の想いを込めて描く畢生の大作!
【目次】
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のぶ
55
太平洋戦争の前、日本が軍事路線を拡大していく頃に、建造された戦艦大和とそれに関わった人たちの物語。巨大戦艦は一つのロマンだろうし、そんなふうに描かれていたけれど、戦争に関わるこんな物は、所詮無用の長物だと思う。登場人物にも大した魅力を感じられなかった。2025/08/03
yamatoshiuruhashi
42
初読の著者。戦艦大和建造に携わることになる5人の同期の技術士官、その中でも殆どが東京帝大卒で占められるその職に京都程大卒でついた男を主人公に据えた物語。「戦艦大和誕生」と「鳶色の襟章」を元ネタに小説化されたような感覚が読中、読後続いている。490頁に昇る本を久々の一気読みだったが、作者としても未消化の部分がだいぶ残ったのではないだろうか。視点、筋運びそのものは面白く、艦を造り上げていくシステム、その苦労などをかなり織り込んで力作であるとは思うが、それを膨らませる挿話が今ひとつ物足りなかった。2025/08/02
伊達者
1
題名をみて楽しみに読み始めたが期待外れであった。戦国物の方が作者には合っている。造船士官という存在に焦点を当てて展開していくけれど主人公と画家志望の女性との恋愛話は空虚な会話部分も含めて恥ずかしくて読めないレベル。同期の仲間たちが次々いなくなるのだが、その展開も安易な感じがする。海軍をやめるという同期の話を真剣に読んだらすぐに実は精神を病んでいたという話でがっくりしてしまった。ソ連と結んだ反政府活動家の破壊活動や活劇もリアリティが感じられない。最後にエピローグで今どきそんな話かよと。2025/08/02
しーたか
1
作品間の振れ幅が大きい著者としては佳作。 面白い。けど超えられてないハードルがあるような感想。 鯨分限100とすると95か。 読んで損はない。2025/08/02