出版社内容情報
新たな一歩を踏み出すために。
大切な何かを取り戻すために。
思い出の品、お預かりします。
丘の上にある古いレンガの「別れの博物館」。
さまざまな想いを抱えた人々が、今日も博物館を訪れます。
「別れの博物館」収蔵物リスト
館長の<数>、喫茶店に飾られていた<額>、帽子作家の<針>、手話ボランティアの<耳>、数学教師の<名>、着られることのない<服>……。
【目次】
著者等紹介
標野凪[シメノナギ]
1968年静岡県浜松市生まれ。2018年「第一回おいしい文学賞」にて最終候補となり、19年に『終電前のちょいごはん 薬院文月のみかづきレシピ』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
シナモン
87
素敵な装丁と設定に惹かれて。役目を終え、いまはもう必要とされないものたちが並ぶ「別れの博物館」が舞台。収蔵品には猫のヒゲも。私だったら愛おしすぎてずっと手もとに置いときたいかも。淡々と静かな物語でした。2025/08/25
ユウハル
13
思い入れのあるものを捨てるのではなくお別れする。なんで素敵なんだろう。しかし読んでいくとキラキラとした思い出だけでなく、辛かったり後悔したり、新しい一歩を踏み出すためのお別れもあった。読み終わって、私だったら何を預けるかなと色々と想像する。まだこれといって思い浮かべるものはないのだけど、もう少し生きていたら「別れの博物館」に預けるであろう思い出の品に想いを馳せる。2025/07/24
ハル
3
読了! 自分が預けるんだったら、なんだろうって考えてしまう内容。2025/08/05
らて
2
新たな一歩を踏み出したり、大切な何かを取り戻すきっかけとして思い出の品を収蔵する『別れの博物館』が舞台。 収蔵品を管理するカケスはディスカリキュア(数字の学習障害)があるため、数字を手放し、モノの声を聞き取る能力を活かし、どのような経緯で博物館まで辿り着いたのかをモノの声を聞きながら、どのような展示をするかを考える。すべての章の主人公が前向きにその後の人生を歩んでいて、心の断捨離的なお話だと思った。 私の新たな一歩や何かを取り戻すための思い入れのあるモノは何だろう?と考えたけれど、ちょっと思い浮かばず。。2025/08/19
とんぼ
2
装丁に惹かれて手に取ったがまったく心に響かなかった。モノが語るその持ち主のそれを手放すに至ったそれまでの人生の経緯。しかしこれが表面的で、語られる内容にちっとも共感も感動もしない。なりよりAIのナレーションかよってくらいモノの語り口が画一的で無個性。そのために語られる人物も同一人物ですかってくらい同じに見える。無理にモノが語るとかいう趣向にせずとも普通に持ち主が語るのでもよかったのでは。導入のカケスの物語は良かったし『別れの博物館』って設定が魅力的なぶん期待値が上がって読後の残念感が大きくなってしまった。2025/08/10