出版社内容情報
飛び込み自殺を図り、死亡したひとりの女性。
なぜか、母親を名乗る女性が二人現れて。
二人の母親が、娘の死の真相に迫る衝撃のミステリー!
うだるような真夏日、ひとりの女性が駅のホームに飛び込んだ。そこに、なぜか母親を名乗る二人の女性が現れる。
性格も家庭環境も全く異なる二人の共通点はただひとつ。娘のことを何も知らない。
死んだのは自分の娘なのか。なぜ、死んだのか。違うなら自分の娘はどこにいるのか。二人の母親は、娘たちの軌跡を辿り始める。
内容説明
裕福な家庭で、何一つ不自由なく娘を育ててきた柳島由里枝。お金はなくても、愛と笑顔でいっぱいのシェアハウスで娘を育ててきた馬淵温子。ある日、一人の女性が自殺した。死んだのは自分の娘なのか。なぜ、死んだのか。違うなら自分の娘は、今どこにいるのか。警察にも、夫にも、パートナーにも相手にされない二人は、互いを嫌悪しながらも、娘たちの軌跡を辿り始める。人には言えない秘密をそれぞれ抱えながら―。
著者等紹介
辻堂ゆめ[ツジドウユメ]
1992年神奈川県生まれ。東京大学卒。第13回『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞を受賞し『いなくなった私へ』でデビュー。『トリカゴ』で第24回大藪春彦賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
317
辻堂 ゆめは、新作中心に読んでいる作家です。本書は、W毒母親イヤミス青春譚の佳作でした。彼女達は、今後どうするつもりでしょうか❓https://www.gentosha.co.jp/book/detail/9784344043480/2025/01/04
のぶ
178
女性の電車の飛び込みの場面から物語は始まる。娘の死を嘆く母親のもとに、亡くなったのは自分の娘だともう1人の母親が現れる。どっちの娘が亡くなったのか、敵対していた母親同士が、真実を探すため協力し合う。次第に娘の人生が明らかになっていく。合わせて家族のあり方や、親子関係とはどんなものなのかという事を考えさせられるものとなる。作品のテーマについてはいいものなのではないかと思ったが、現実にこんな状況はとても考えられるものではなく、話について行くのに辛いところもあった。一つのイヤミスで、エンタメとしてはありです。2024/10/04
モルク
173
電車に飛び込み自殺をした若い女性。彼女を自分の娘だと主張する二人の母親。歪な家庭環境の鈴と母の期待が高かった詩音、整形により瓜二つのとなった二人だが自殺したのはどちらなのか…娘を想い改心する母親と思いきや真相はとんでもない方向に…いやぁびっくりした。昔は家の電話で子供の交友関係はある程度把握されていたけど携帯電話の普及によりそれも難しくなった。子供のことって知っているようで案外知らないものかも。何とも後味の悪い作品だった。2025/01/29
となりのトウシロウ
136
娘が電車に飛び込み自殺をし、傷心の母親が遺品のバッグを改めると、見覚えのない別人の財布とスマートフォンが隠されていた。そこから辿った先で、死んだのは自分の娘だと言い張る別の母親が現れ・・・。顔を整形して戻ってきてから別々の二つの家に帰ってきた娘は一体誰なのか。前半から薄々正体が分かったものの、どうしてこんな事をしたのか分からず、読み進めるとそれぞれの家庭で問題を抱えて母親にも相談できなかった娘の姿が。あれ、想像と違ったと思ったらもう1章残ってた、ホッ。面白かったけど、この展開は無理がありますねぇ。2025/03/20
美紀ちゃん
136
自分の娘が電車に飛び込んだと警察から連絡が。遺品整理で娘のバックから出てきたもう一つの他人の財布。その子の家に連絡し取りに来た女性は遺影を見てこれは自分の娘だと言う。携帯の写真などを見せ合うがどうやら温子の娘と由里枝の娘は同一人物らしい。どういうことなのか?はじめは2人とも毒親だなぁ。と、あきれた思いで読んでいたが娘たちの回想のあたりから真相が知りたくて一気読み。鈴のパパが、親子関係の鑑定を密かにしていて、その結果にとても驚いた。予想を超える驚きのラストだった。本屋大賞にノミネートされそう。面白かった!2024/11/12