出版社内容情報
小人を怒らせるな。穴だらけで死ぬことになるぞ。群集恐怖症を持つ小学校教師の美咲は、クラスのいじめに手を焼いていた。ターゲットは、「悪魔の館」に母親と二人で住む転校生のめぐみ。ケアのために始めた交換日記にめぐみが描いたのは、人間に近いけれど無数の小さな目を持つ、グロテスクな小人のイラストだった――。机の裏に、絨毯の下に、物陰に。小さな悪魔は、あなたを狙っている。オカルトホラーの新星、期待の最新作!
内容説明
群集恐怖症を持つ小学校教師の美咲は、クラスのいじめに手を焼いていた。ターゲットは、“悪魔の館”に母親と二人で住む転校生のめぐみ。ケアのために始めた交換日記にめぐみが描いたのは、人間に近いけれど無数の小さな目を持つ、グロテスクな小人のイラストだった。机の裏に、絨毯の下に、物陰に。小さな悪魔は、あなたを狙っている。
著者等紹介
滝川さり[タキガワサリ]
1992年生まれ、兵庫県神戸市出身。2019年、「お孵り」で第39回横溝正史ミステリ&ホラー大賞“読者賞”を受賞して、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちょろこ
126
小人ホラーの一冊。この幻想感漂う表紙がめちゃくちゃ好みでしばしうっとり。そしてストーリーは端的に言うと、プチプチ、小人集合体ホラー。非現実感は否めないけれど、誰もが苦しみの中にいる時には空想の世界に現実逃避したり、心の中に密かに悪魔を存在させるのかもしれない。そこを巧くホラーで表現した作品だったと思う。幻想的な館の描写は仄暗い童話の世界。そこに囚われた子供と大人の歪む精神世界。恐怖、パニックだけで終わらず、終盤、不意打ちの涙にやられたのも良かった。プチプチ、ぶつぶつぞわぞわ、小さな集合体は想像したくない。2022/12/07
ごみごみ
68
小人といって思い出すのは白雪姫に出てくる愉快な働き者のあの7人。ところがこの作品を読むと、小人に対するイメージがガラッと変わる。いじめられ不登校になった転校生、めぐみが住む街はずれの洋館。そこは「悪魔の館」と呼ばれ、次々と不穏な事件が起こる。蠢く小さなものたち。その気配を想像するだけで恐ろしい。・・クローゼットや引き出し、ベッドの下の隙間から、カサカサと物音が聞こえてきそう!2022/11/20
sayuri
60
めぐみの家には、小人がいる。この小人は、いじめから救ってくれる友達なのか、それとも邪悪な生命体なのか。自身もいじめに合った過去を持つ小学校教師の美咲がめぐみとの交換日記で目にしたのは無数の目を持つグロテスクな小人のイラスト。めぐみが母親と二人で住む<悪魔の館>と呼ばれる旧ゲオルグ邸で感じるいくつもの視線と奇妙な音。美咲の恐怖が伝染し背筋がひんやりとして来る。終盤に向けホラー度は加速し、小人達の動向から目が離せない。きぃきぃ、きし、きし、きし、の鳴き声が聞こえたら要注意。間違っても小人を怒らせてはいけない。2022/12/09
ケイト
58
小人ってシンデレラの優しい仲間だと思ってた。森の中の不気味な洋館に住むめぐみは、学校で酷いいじめにあって不登校になっていた。訪ねて来た担任の美咲は、この家で無数の視線を感じる。小さい頃のトラウマで群集恐怖症だった。めぐみをいじめたあの一家の最後は悲惨、味をしめた小人があんな所やこんな所で蠢く。そのままで終わらない最後、ギャーーー!2025/03/21
さっちゃん
53
いじめられた過去のトラウマで群集恐怖症を持つ小学校教師の美咲。転校生のめぐみはクラスの天妃愛(ソフィア)のグループにいじめられ不登校に。美咲はめぐみと交換日記を始めるが、そこでめぐみの家には小人がいると打ち明けられる。/小人がうじゃうじゃいたり、穴だらけで死んだり、小人に無数の眼がついていたり、想像してしまって色々もう無理。モンスターペアレントやいじめや無能教頭&校長も無理。面白くてグイグイ読んだけど絶対映像化しないでほしい。ホント無理だから。「小人は、おこると、すごくこわい。」この後も想像したくない…。2022/12/11