出版社内容情報
「好きに死なせてほしいのよ」
高3の約束を果たすために、57歳の女と男は赤いメルセデスのカブリオレに乗り込んだ。
デビット・ボウイを歌いながら「最高の死」の瞬間(とき)を求める道行きがついに始まるーー。
目的地は1976年の夏と同じく南紀白浜。
違うのは、元カノのデコが癌で死にそうなことだった。
「死ぬ前に、きっちり落とし前つけときたいの」
アパレル会社経営の富豪の女と、出版社勤務の冴えない男が始めた心の旅ーー。
カルトメジャーの雄が新しい幸福の姿を描き切った、書き下ろし小説。
内容説明
出版社に勤める定年間近の俺に、高校時代の恋人から39年ぶりに電話がきた。会ってみると、17歳の時未遂に終わった大阪から南紀白浜へのバイク旅行に、もう一度行かないかという誘いだった。謎めいた仕掛けからラストに至る鮮やかな大どんでん返し。生きるという厳粛な綱渡りをアクロバティックに決めた一大“人生絵巻”。
著者等紹介
山田五郎[ヤマダゴロウ]
編集者・評論家。1958年東京都生まれ。上智大学文学部在学中にオーストリア・ザルツブルク大学に1年間遊学し、西洋美術史を学ぶ。卒業後、講談社に入社。「Hot‐Dog PRESS」編集長、総合編纂局担当部長等を経てフリーに。現在は時計、西洋美術、街づくりなど、幅広い分野でテレビ・ラジオ出演、講演、執筆活動を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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spike
4
この作者らしい手の込んだ大阪/白浜/熊野案内とも思えるくらいマニアックでツボな描写と楽しめる。でも、やはり全く同世代なだけに最後は少しぐっと来ます。男は特にこの歳になるとこういうものだし、女性もまた然り、では。2021/04/04
GO-FEET
3
このところ〈山田五郎のオトナの教養講座〉というYouTube に嵌まっているのであります。 あの〈蘊蓄キューピー〉が若いAD相手にやりたい放題やってる番組です。 で、そんな流れで思わず手を出してしまった一冊。 初めて書いた小説らしいですが、〈シラケ世代〉の一員としてはなかなか頷くところが多くて笑ってしまいました……2021/12/11
Gaudi
2
いまだに未踏の県が四つ。そのうちの一つが和歌山県。 那智の滝、熊野、串本、田辺。行きたいところばかりです。 そして、高野山にも参らねば。2021/05/05
は?
2
ページ数もさほど多くなく先が気になり早く読み進めたいのだが,ちりばめられた蘊蓄をGoogle先生に尋ねながらと涙をこらえながらだったので、結構時間がかかったが一気読み / 私小説なのだろうか 完全な小説なのだろうか 別の切り口の話もぜひ読みたい 実に興味深く読了 2021/02/13