内容説明
愛すべき存在を介護し、見送ったあとに、心に残った想いとは。15歳の犬から25歳の猫まで、20人の飼い主を取材し、自らも14歳になる豆柴・センパイと9歳の保護猫・コウハイと暮らす著者が綴る、犬と猫と人の、それぞれの物語。
目次
寂しいけれど、悲しくはない―ジャム22歳・メス(雑種猫)
日常のひとつひとつが宝物―ワンダー17歳・オス/チャム15歳・オス(ともにジャックラッセルテリア)
最期の会話は肉球で―ミーシャ21歳・メス/ハービー20歳・オス(ともに雑種猫)
おもしろかったことを思い出して笑いたい―モンタ19歳・オス(ビーグル)
合わせるのでなく、合わせてもらうのでもなく―美香19歳・メス/省17歳・オス(ともに雑種猫)
その日まで、自分のペースで過ごして―さくら17歳・メス/まる19歳・メス(ともに雑種犬)
生と死は地続き。生きてきた一部に死がある―黄金19歳・メス(雑種猫)
「食べたい」は「生きたい」―クローバー19歳・オス(ミニチュアダックスフント)
猫は生きるためだけに生きている―うらん20歳・オス(雑種猫)
最期まで命を使いきった―ルビー18歳・メス(雑種犬)〔ほか〕
著者等紹介
石黒由紀子[イシグロユキコ]
エッセイスト。日々の暮らしや犬猫のことを中心に執筆(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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papako
75
こういう本ってあまり読まないけど、目の前にせまっている愛犬との別れを前に読んでみた。今の自分の気持ちを言葉にしてくれるかなって。たくさんの長寿犬や猫との別れが書かれているんだけど、みなさん消化された後の気持ちだった。なのでさらっと読めてしまって涙を誘うという感じではなかった。どうやって折り合いをつけたのか?もうつけてしまった人に聞いてもダメなんだな。自分で折り合っていくしかないんだろうな。2021/09/04
瑪瑙(サードニックス)
47
長生きしたワンちゃん、ネコちゃんのお話。「誰にも、どんな犬や猫にも、すばらしい物語があるのです」その通りだと思う。ここに登場する子たちは飼い主さんと素晴らしい物語を紡いでいる。私は犬や猫は飼った事がないけれども、セキセイインコとの別れは経験してきた。看取る事が出来たのは3羽だけ。他の子は朝起きてケージを覗いたら落鳥していた。そういうお別れだった。だから最期を看取れた方、看取れなかった方、各々の気持ちが少しはわかる。そして皆さんが全力で愛したことも。2020/07/07
manamuse
25
前回読んだエッセイがよかったのでこちらも借りてみました。タイトルから分かる通り、長寿犬・猫との出逢いから別れまでをまとめた作品。どの犬にも猫にも「楽しかったね、ありがとう」と言いたくなる。そして亡き愛犬を想う。2021/04/23
青木 蓮友
17
うん、けっして悲しいだけじゃない。そりゃ切ないけれど、満ち足りた読後感です。飼い主さんたちも直後ではないので、落ち着いていて笑顔で語られている感じもとても良かった。どうしようもないことを全て受け入れて、前を向いて、温もり抱えて。わたしも愛猫旅立ちの瞬間だけはどうしてもそばに居たくて、当時そればっかり考えてましたね。いま思えば、あそこまで目の色変えなくてよかった気も。結果としては、万全に夫婦で看取ることができました。唯一無二の個性、ふと思い出すたびに、あまりのかけがえのなさに、尊さに、クラっとします。2019/08/23
Masa.H
9
高齢の犬や猫を見送ったものへのインタビューを綴ったもの。絶対に泣くと思ったけど、ほぼ涙は無かった。秘密結社老犬倶楽部の話が一番良かったかな。 相棒を虹の橋の向こうに見送ったあと、次を求める人と終わりにする人、それぞれ色々な想いがあり、その考えに触れられたのは良かった。 うちの子も長生きしてくれると良いな。2019/08/09