内容説明
県警本部捜査一課・秋月春風巡査部長。生後三ヶ月になる息子・蓮くんのため、男性刑事としては初の“育休”に挑戦中。それでも事件は待ってくれなくて―。お人よしの刑事と動じない見習いは難事件を解決できるのか!?前代未聞、予測不能の本格ミステリ!
著者等紹介
似鳥鶏[ニタドリケイ]
1981年千葉県生まれ。2006年『理由あって冬に出る』で第16回鮎川哲也賞に佳作入選し、創元推理文庫でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みやしん
160
事件現場に連れ回される乳児。育児の工程を一つ一つ文字に起こすと目眩がするほどの情報量。男への育休に対する理解はまだ数歩も進んでいない世の中だけど、今後どう変化して行くか。「育児は女がして当たり前」とは長らく言われてはきたが、世間が男に「育児に無頓着」というレッテルを厳然と貼っているのも事実。打つ手の無くなった夜泣きに半瞬でも手をあげそうになった事を表現したのは評価したい。課長の造形が妙に不鮮明だったから女性じゃないか?と思っていたら、そーいう事ね。2019/11/17
雅
136
育児あるあるが満載で面白い。ぶっ飛んだお姉さんもいいキャラしてます。ミステリ度はそこまでじゃ無いけど、相変わらずの註釈が笑えます(笑)2021/11/13
うどん
128
殺人事件なのに蓮くんのおかげでほのぼの読んでしまいました!赤ちゃんはやっぱりかわいいなぁ~2019/08/22
ガチャ
123
タイトルそのままに刑事さんが育休してました。それも夫の春風の方が育休中とは。 男女問わず、赤ちゃんを育てるのは大変ですね。 お父さんお母さん尊敬します。 赤ちゃんの蓮君を一番に考えつつ、 夫婦のお互いを気遣って接し合う姿は微笑ましくもありました。育休中とは言え、蓮君連れで捜査に首を突っ込むことになってしまった主人公。最後にはなぜ奥さんではなく、旦那様の春風が育休を取ることになったのかにも納得できました。2019/09/27
NADIA
116
県警の捜査一課の育休取得中の刑事が事件に巻き込まれる短編集。タイトルから想像できるとおりである。そう言えば父親が主夫・育児に奮闘する朱川さんの「主夫トモロー」を読んでいるが、夫の方が家事育児をする場合、メリットもあるが、悪意に基づいたものではない差別を受けるようなデメリットもあると書かれていたことも思い出した。もちろん、どちらの作品もユーモアあふれる筆致で描かれているので、深刻にならずに楽しく読むことができる。この作品については、姉とキャラクターと妻の沙樹さんの正体が愉快。そして安定の解説が期待通りだ。2020/08/13