内容説明
選ばれなかった者たちの“もう一つ”の箱根駅伝。付き添い、計測員、給水員、応援係…「最後の箱根」で、“戦力外”のなった東海大学陸上部4年生たちの挫折と再起を追った、感動のノンフィクション。
目次
序章 両角監督の飴
0区―13名の戦い
号砲前―ギリギリの攻防
「打倒青山学院!」
「キロ3分」の壁
走り切る
指導者
山とブレーキ
箱根の夜―支える
怪物
浮上せず
スピードスター
ジレンマ
異変
著者等紹介
佐藤俊[サトウシュン]
1963年、北海道生まれ。青山学院大学経営学部卒業後、出版社を経て、93年フリーランスとして独立。サッカー、陸上競技を中心に幅広いスポーツシーンを取材している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
113
どうも入り込めず半ばから流し読み。走っている選手の声があまり入っていないのが一因かも。監督の将来を見据えた出口への指導は素晴らしいなと思った。2019/02/17
モルク
87
2018年箱根駅伝。東海大学選手スタッフ、監督それぞれのノンフィクション。箱根駅伝をランナーとしてではなく裏方「箱根0区」として付き添いや給水係りに従事した四年生。彼らは高校の教師、両親らの期待を受け箱根を走ることを目標に掲げてきた。しかし怪我や記録の伸び悩みそして「黄金世代」の後輩たちの入部により箱根を走ることをが出来なかった。競技を続けることへの葛藤、裏方に回ることへの無念、いろんなものを抱えている。青学の原監督と東海の両角監督のスタンスの違いがよくわかる。そして2019年、東海大は優勝する。➡2019/06/05
ぶんこ
53
1区から10区までに分かれて描かれているのが分かり易くてよかったです。0区とは、箱根を走れずにサポートにまわった選手たちの管轄?担当区。誰しも箱根を走る事を目標として頑張るのですが、素質や怪我などで諦めざるをえない人がでてきます。そんな時に選抜選手の仲間として最良のサポートをすべく努力する姿にウルッときました。あくまでもタイムで判断されるのは厳しい。合宿費から寮での部屋割りまでに差がつく。最も驚いたのが箱根の民宿に泊まった選手に朝ご飯が出ない事。時間が早すぎるからというが?コンビニ食とは気の毒でした。2020/01/13
キク
52
2019年東海大陸上部長距離4年生16人のうち、箱根メンバーに選ばれたのは3人のみ。「最後の箱根」に選ばれなかった13人は付添人、給水係、計測員、応援として箱根0区を駆ける。日本最大のマラソン、東京マラソンの協賛金20億を、箱根駅伝は5社の協賛だけで超える。それだけ商業的にビックイベントとなったけれど、選手たちは純粋に青春をかけて箱根と向き合っていた。青学の箱根至上主義よりも、あくまで教育として箱根に向き合おうとする東海大学の方針に、すごく好感が持てた。だって「その後の人生」の方が絶対に長いんだからさ。2023/11/25
いちろく
48
2018年箱根駅伝の東海大学の舞台裏を主軸に描くノンフィクション。各区のランナーと付き添いメンバーの当時の状況を描きながら、著者の目から見た他大学との育成方針の違いまで切り込んだ点が興味深い。何が正解で何が間違いはなく、傍からは結果が全てと見られる事も少なくない駅伝競技の中で、卒業後の先を見据えた育成を心がけている事も、選手達には魅力的であり両角監督のもとに集まる点でもあると納得出来た。それは、今年の箱根駅伝優勝や大迫選手をはじめとする監督の教え子達の活躍が言葉ではなく結果として物語っている。2019/03/12
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