内容説明
ひとり静かに亡くなっていた老女は、昭和の大スター・安斉美千代だった。愛した人を待ち続けた彼女の死の1週間前に届いた手紙に書かれていたのは…。「ヲトメのヘロシ始末『初恋心中』」2000枚のSPレコードから探し当てた「兄が最後に聴いた曲」に込められていたのは、あの戦争で飛び立った青年と妹と猫の、真っ青な空の下の切ない別れの物語。「むふふの和夫始末『ぴい』」ほか、全6篇。
著者等紹介
さだまさし[サダマサシ]
1952年長崎市生まれ。72年に「グレープ」を結成、「精霊流し」「無縁坂」などが大ヒットする。76年、グレープを解散後、シングル「線香花火」でソロデビュー。2001年、初小説『精霊流し』がベストセラーになる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鉄之助
380
まるで、落語を聞いているような錯覚すら覚える、軽妙なリズムの語り口。達者なストーリーテラー・さだまさし、は健在だった。少し、駄洒落が過ぎる傾向はあるが、それはそれで、御愛嬌か。東京の外れのいわくありげな小さな飲み屋「銀河食堂」を舞台に、個性的なキャラクターが絡み合う。最後の「セロ弾きの豪酒」が味わい深かった。2023/08/27
いつでも母さん
215
落研出身のさださんが、まんま枕に本題そして落ちまでを登場人物の口を借りて『銀河食堂』を舞台に紡いだ連作6篇。くすっとしたり、切なくてほろりとさせられたり・・さださん好きには堪らない作品になっている。好みは『七年目のガリバー』『ぴい』『セロ弾きの豪酒』ここは善人の集う場所だった。2018/11/05
machi☺︎︎゛
151
さだまさしさんの本は初めて読んだ。小さな居酒屋⁇バー⁇銀河食堂の素敵なマスターと、そこの料理とマスターの人柄に惚れ込んで通う商店街の人々の連作短編集。全部の繋がりが濃いから1つの物語みたいで面白かった。特に最後のセロ弾きの豪酒なんて謎解きの答えじゃないけど、ほっこりもありユーモアもあり切なさもありでさだまさしさんは作家としても魅力的だなって思った。2020/12/03
ナイスネイチャ
141
図書館本。東京四ツ木の居酒屋「銀河食堂」に集う常連客が様々な語り草を思い綴る連作短編集。ひとつのドラマを観ているようで、スラスラ読めました。2019/02/01
紫綺
110
昭和カラーに染まる人情話連作短編。スタンドバーのような居酒屋、銀河食堂の江戸っ子っぽい常連たちが、酒を酌み交わしながら語る人情余話。てやんでぇーい、面白かったじゃねぇか‼️2019/04/10