内容説明
家族とは?夫婦って?元夫・井上ひさしとの、すさまじくも濃密な後悔だらけの人生。失敗から、家族の本質が見えてくる!
目次
第1幕 異なる夫婦のどっちもどっち―家族の黎明期(夫婦喧嘩は一生ついてまわる;天と地ほどにかけ離れていた ほか)
第2幕 神よ!悪魔よ!原稿よ!家族の全盛期(一心同体の夫婦が一心二体になる;増長する夫婦間の不満 ほか)
第3幕 悩み苦しんだ親子の巣立ち―家族の衰退期(夫と妻の幸福戦争;家族を食わしているのは俺だ ほか)
第4幕 切っても切れない深い結びつき―家族の晩期(戦いに明け暮れて;せめて、さようならを ほか)
著者等紹介
西舘好子[ニシダテヨシコ]
1940年、東京浅草生まれ。NPO法人日本子守唄協会理事長。61年、井上ひさしと結婚。三女をもうける。83年、制作集団「こまつ座」を主宰、プロデュース。85年、第二十回紀伊國屋演劇団体賞受賞。86年、井上ひさしと離婚。88年、「みなと座」主宰。95年、第三回スポニチ文化芸術大賞受賞。2000年、NPO法人日本子守唄協会設立。数多くの演劇の主宰・プロデュースを経て、幼児虐待、DV(家庭内暴力)など、子どもと女性の問題に取り組む(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ちゃとら
52
【図書館本】『十二人の手紙』を読んだ時に、読友さんのコメでこの本を知った。井上ひさしさんは知っていたが、私生活はまるで知らず、ましてや病的なDV夫だったとは驚きでした。その暴力の凄まじさ、骨折、鼓膜破裂、救急車😖わざと奥さんの両親の前で暴力を振るう意地悪さと絶句でした。その立場でよく『東慶寺花だより』が描けた物だと不思議になりました。2023/10/08
Kei
41
本書は、林真理子さんの週刊紙エッセイで知る。出版界の忖度。みんな知っているのに誰も書かない。日頃、正義をかざしあらゆる事を糾弾しているようにみえるが、マスコミも一企業。気をつけないとね。ネット以降、情報の収集選択はフェイクも含め、我々の自己判断の時代です。井上ひさしさんの騒動はうっすら覚えているが、まさか、こんなだったとは?オプションもつけて、個人談を普遍的に。なのに、ひさし氏のギャップが凄すぎて、普遍的になりませんでした。2018/08/19
テツ
31
綺麗事だの反戦だのを偉そうに語りながら家庭ではクズそのものだった井上ひさしという人間が大嫌いなのだけれど、元奥様の書かれたこちらを読んだら更に嫌いになった。自分の身近にいる一番大切にするべき人間に好き勝手に暴力を振るうような奴の語る美しい言葉、そんな奴が理想とする美しい世界にどんな価値があるんだろう。理想を掲げるのは結構なことだけれどまず最初に自分の抱える小さな世界を愛と平和で満たさなければいけない。2018/04/29
みゆき
17
井上ひさし氏の元妻が語る結婚生活。「馬鹿と天才は紙一重」という。作家としては天才だけど、良き夫、良き父親という面では失格。家庭人としては最低だ。いかなる理由があろうともDVは許されないけれど、一方的にここまで暴露するとはね。井上氏にも言い分はあるんだろうな。何故もっと早く離婚しなかったのか?理解に苦しむ。どっちもどっちの気がした。「老いてからは、家族と過ごした時間を思い出すのが何よりの宝物。」だったら、西館氏は墓場まで持ってったら良かったのに。(こう言ったら身も蓋もないけれど)2023/06/30
カタコッタ
14
本書は林真理子さんのエッセイで知り、心底驚いて読みました。出版界では知られていた事でも、立場上公にはできなかった事なんでしょう。著者も亡くなった元夫の事をよくもしゃあしゃあと書けたものと思いますが、今のこの時代でなければ恐らく本にはならなかったのでは。どちらにしても、暴力をふるう人間は私は許さない。井上ひさしさんが再婚された相手には、DVの被害はなかったのでしょうか。しかしながら意地悪な井上ひさし氏を私はどうしても想像できない。忙しい夫婦の相性が悪くなってしまった、それだけの事かもしれません。2019/07/16