出版社内容情報
長生きするにはどうすればよいのか、幸福な一生を送るにはどう生きるべきなのか。誰もが持つ人生の疑問に現在105歳の著者が答えます。自分の歳と折り合って生きる秘訣がつまった一冊。
内容説明
生涯現役、一人暮らしを貫く希代の美術家、後世へのメッセージ。
目次
第1章 歳と折れ合って生きる(亡くなった人にどこかで会えるかもしれない;楽観的に生きる ほか)
第2章 幸福な一生になりえる(生きていく力は授かっている;自分で人生を工夫する ほか)
第3章 やれるだけのことはやる(生き延びる;期待して生きている ほか)
第4章 心の持ちかたを見直す(自分で自分がわからない;人生の本分が大事 ほか)
著者等紹介
篠田桃紅[シノダトウコウ]
美術家。1913(大正2)年生まれ。墨を用いた抽象表現主義者として、世界的に広く知られており、数えで一〇五歳となった今も第一線で製作している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鉄之助
233
タイトルに惹かれて、手に取った。105歳で現役!墨を用いた「抽象表現者」として世界的に活躍している篠田桃紅さんのエッセイ集。墨に関する考察が、味わい深かった。「墨の色は黒でなく玄(げん)」だと言う。人生と宇宙の根源で、あらゆることの初めで終わり。玄の道を極めた人が「玄人」。何もかもやり過ぎず、あらゆることにチャンスを残す。墨は何回塗り重ねても他の絵の具と違い、真っ黒にならない。闇には決してならず、一点の明るさを残す、という。「完全な仕事に見えるけど、完了していない」。まるで、桃紅さんの生き方のようだった。2020/08/12
やすらぎ🍀
198
満開だけが花、満月だけが月ではない。ふと美しい景色を目にしてしまうと、この世に存在しない何処かに行けるのかもと思ってしまう。雲の向こうにあの方がいる。星の瞬きに懐かしさを思い出す。風に運ばれてくる呼び声にほほえみ。今この時を受け入れて、今この時を大切に想う。素直な気持ちが心の底からゆっくりと浮かんでくる。明ける日も暮れる日も、日々狭まっていく世界も、感性は豊かでありたい。自由に自然に孤独に。心のゆとりを華やかさを忘れずに。心眼。爽風が心地よく感じていられますように。忙しい最中、穏やかな気持ちに包まれます。2023/03/30
ホッパー
62
タイトルがポップな言い方なので、内容を読んで全く違う印象を受けた。ほどよく力の抜けた素敵な生き方、考え方一つ一つに流石人生の大先輩だ、、と思わされる。2020/08/12
パフちゃん@かのん変更
60
105歳!凛とした強い人だ。精神力には全く老いや衰えを感じさせない。3ページほどの文章の後に、短い言葉で名言にまとめられている。いい言葉が多い。「死ねないのも困るのよ」という題名ですが、全く困っている様子がない。「どれだけ長く生きても、生きることに行き詰まることはない」「人は生きる術を見つけ出す力を持っている。自分を肯定して、幸せを得る」「人から教えてもらうのではなく、自分で見つける」「これが幸福という定義はない。あなたがどう自覚するかで幸福な一生になる」2017/12/16
shizuka
42
ひとつ、どうしても乗り越えられない言葉にあたった。「頼る人にならない、頼られる人にもならない」これだ。頼る人にならないは分かる。自己責任下で人生の享受。「頼られる人にならない」はどうだろう。仮に友人から頼られたら、断ることはできない。うーんそういう次元じゃないんだろうなとここまでは進む。何事もほどほどにってことなのかなとも思うが。ああ、この言葉がすとん!と落ちる日は来るかな。頼られたら助けるという基本的人間の良心、それを凌駕した境地なんだろうなあ。この齢にしてわくわくする言葉に出会えて感動。答え探すんだ!2019/12/12