内容説明
限られた時間。たった一度の出会い。特別じゃないわたしたちの、特別な日常。
著者等紹介
島本理生［シマモトリオ］
１９８３年生まれ。１５歳の時に「ヨル」が「鳩よ！」掌編小説コンクール年間ＭＶＰを受賞。２００１年「シルエット」が群像新人文学賞優秀作に。０３年『リトル・バイ・リトル』で野間文芸新人賞、１５年『Ｒｅｄ』で島清恋愛文学賞受賞（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
432
島本理生は、新作中心に読んでいる作家です。アラサー女子のお洒落で美味しく少し切ない恋模様。HIVがスパイスとして効いています。主人公の椎名とほぼ同世代ですが、もう恋愛は出来ないかも知れません（悲）いつか孫にティファニーのオープン ハート ベビーセット（フォーク & スプーン）を贈れたら好いなぁ♡2017/08/25
さてさて
306
気のおける誰かと想い出を語らう時、あの時の”食”の光景が、あの時の”旅”の情景が思い浮かびます。そんな想い出を語る時にふと気付くこと。それは、あの”食”の時間、あの”旅”の時間、それらを”楽しかった”、”幸せだった”、そんな風に感じた先に今の二人の関係があるということ。そんな二人の出会いが、今の自分自身へと繋がる何かしらを分かち合ってきたのだということ。ああ、彼と、彼女と美味しいものを食べに出かけたい！島本さんの絶品の”食レポ旅レポ”と共に、そんなことを感じさせてくれた、幸せ感に満たされる作品でした。2020/11/21
おしゃべりメガネ
271
島本さん作品をそれなりに読んでますが、本作は個人的に１、２を争うぐらい好きな作品です。アラサー女子３人、それぞれの恋愛模様をあらゆる目線で綴られる展開ですが主人公「知世」といい関係にある年上の「椎名」さんとのやりとりや距離感が絶妙です。働く女性の悲哀的なモノだけではなく、妙にリアルに感じる作者さんの筆力はただ、ひたすら感服します。島本さん特有のザラッとした感覚も控えめで、むしろこんなに洗練された島本さん作品は'はじめまして'でした。主人公が明るすぎず、無理にがっつかない感じが良かったかもしれませんね。2017/10/28
❁かな❁
250
めちゃくちゃ大好き♡島本理生さんの作品を読むのは9作目ですが一番好きかも♬大人の恋愛小説＊30歳の知世とだいぶ歳上の椎名さん。最初の章から優しくて素敵で各章、椎名さんと知世のやり取りがすごくいい♡大人の2人が落ち着いていて美味しい食事を楽しみながら少しずつ距離が近づいていくのもキュンとする♪2人で過ごす時間が良くて椎名さんみたいな優しい男性、素敵だなと思いました♡重い問題を抱えていますが想い合っている2人なら大丈夫！今の私はこんな癒しを求めてるのかなぁ。穏やかで幸せなやり取りに感涙＊とっても素敵な作品♡2017/10/09
まちゃ
243
石井知世（ちせ）と年上のエンジニア・椎名（しいな）さんとの恋愛を主軸にした連作短編集。登場人物はそれほど多くなく、それぞれのキャラクターが活きていて読みやすかったです。３０代女性の人生観が新鮮でした。問題を抱えながらも二人で生きることを決意した知世と椎名さんの暮らしが平穏に続いていくことを願います。2017/07/30
