内容説明
サツマイモに焼酎、唐辛子を世界で売る?補助金に頼らず、自主財源で稼ぐ奇跡の村“やねだん”。人口三〇〇人の限界集落はなぜ、ひとりの公民館長の手で生まれ変わったのか―。地域再生の神様と呼ばれる豊重哲郎さんの20年間の闘いとその軌跡を辿る。
目次
ゼロからの出発
情熱で人を動かせ
感動が人を動かす
全員野球
眠れる財産を再生せよ
リーダーとは何か?
自分たちのことは自分でやる
教育とは「変わること」
ボーナスの出る村
ビジネス感覚で人を呼ぶ
行政にはないスピードで
知恵を出し、汗を流せ
小さな村から世界の村へ
お金はなくとも
バトンタッチをする勇気
著者等紹介
出町譲[デマチユズル]
1964年富山県高岡市生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。90年に時事通信社入社。ニューヨーク特派員などを経て、2001年にテレビ朝日入社。ニュース番組でデスクを務める傍ら、著作活動を開始。また、経済ジャーナリストとして、地方紙や総合雑誌で、地域再生や企業経営のリポートなどを定期的に執筆している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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槙
1
前読んだ本でもちらっと紹介されていた「やねだん」の事例。8日にこの人の講演を聞くので、予習がてらサクッと読んでみた。思った以上にいろいろやっててびっくり。自主財源があるので、町内会というよりは小さな自治体といった感もある。でもこれができるのは集落の人数が少ない&アイデアマンでもある豊重氏の強力なリーダーシップがあるからだろうな。海士町の事例と同じ雰囲気を感じた。2018/11/05
こう
0
鹿児島県の大隅半島という条件不利地での全国的にも有名な地域再生の取り組み。地域にあるいろいろな資源に着目し、それで儲けることによって、地域に自信を持たせる取り組みが素晴らしい。やはり収入があることによって、楽しみや取り組みへの熱意が増大する。それを補助金に頼らずにやることが素晴らしい。豊重さんのアイデアとリーダーシップが伝わってくる。2017/10/22
ゆきまさくん
0
地域再生や地域振興に携わる人たちが知らない人はいないと言われる「やねだん」の豊重哲郎さん。 地域活性化伝道師の木村俊昭先生からお話を伺っていたが、この本で改めて人となりや取り組みの一端に触れることができた。 とにかく、この本は面白い。あっという間に読めた。 これも出町さんの綿密かつ緻密な取材で凝縮されたんだろう。 情熱と感動、教育と文化など、とにかくいくつかキーワードがあるが、それだけではおそらく語り尽くせない。 日本の在り方を考えるヒントがそこにはあるんだと、読んで思った。2017/05/15
小林隆
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読後の爽快感マックス。獣医学部新設のために130億円もの公金をつぎ込む自治体にも是非読んでもらいたい一冊。岩手県紫波町もそうだが、補助金に頼らずとも立派に地域再生、創成はできるということを身を以て証明してくれている。そしてやはり一番大切なのはリーダーのビジョンとパッションそして行動力。今回のリーダー豊重氏は当然素晴らしいが、彼を抜擢した地域住民の判断もまた素晴らしい。「ないものねだり」ではなく「ありものさがし」は私が街頭でも繰り返し訴えた言葉。どんな地域にも必ず他にない魅力はある。2017/05/22