内容説明
夫は、わたしの腕の中で、息をひきとった。悲しみはなかった。わたしに残ったのは、感謝と明るさだけだった。「末期ガン。余命半年」の宣告。「最後まで家で過ごしたい」と願った夫と、それをかなえたいと思った妻。満ち足りて逝き、励まされて看取る、感動の記録。
目次
第1話 家での看取り
第2話 最後の半日
第3話 青天の霹靂?
第4話 いちばん怖かったこと
第5話 お金の問題
第6話 痛み
第7話 延命治療
第8話 家族の場所
著者等紹介
三砂ちづる[ミサゴチズル]
津田塾大学国際関係学科教授、作家。1958年山口県生まれ。兵庫県西宮市で育つ。京都薬科大学卒業。ロンドン大学Ph.D.(疫学)。母子保健・国際保健の疫学専門家として、約一五年にわたりブラジル・イギリスなどで研究。妊娠・出産・子育て・家族・身体の知恵などをテーマとした著作多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
AYA
4
家で大事な家族の最期を看取ることができる幸せ。病院で最期を迎えるのではなくて、家に帰れてよかった。 ただ病気について何にもわかっていなかったことが、今になってわかる。2017/07/24
mogihideyuki
2
著者がガンの夫を家で看取った、その道すじ。身体知は三世代で失われるという。わずか数十年のあいだに出産が医療化されたことで誰も一人で産むことができなくなった。おそらく、死にゆく人を身内だけで見送ることも、間もなく失われた記憶になる。公衆衛生学の研究者であり、現代医学の限界をよく知っている著者は、しかし現在の医療保険と介護保険は家で看取るために十分なサポートを与えてくれるという。健康観、身体観が食い違うことも多い夫と、その都度ベストなやり方を選んでいくその過程。続2017/09/29
れいん。
1
ここに書かれていることよりもっと過酷な介護をされている人もいるのだろうなと思いました。でも家族が死へ向かってゆくのをそばで見続けるのはつらいし、自宅で介護をして最期を看取るのは凄いこと。人それぞれに思いとか考えがあるから、どれが一番ということではなく、自宅でも病院でも施設でも本人が望んだところで最期を迎えることができたらいい。それが幸せかな。2018/02/02
Yoshiyuki Usui
1
フランスベッド、ポータブルトイレ、帝人の在宅酸素、麻薬、ひとりでできない出産と死、汲み取りトイレ、 医療保険制度、介護ヘルパーさん、痛みのことなど、詳しく書かれています。 24時間つながる家庭医を持つということは、心強いと思います。 先生のご本は、今の日本の医療介護状況を正確に表現していて、一般の人々に非常に役に立つ本だと思います。 2017/08/23
Yoshiyuki Usui
0
フランスベッド、ポータブルトイレ、帝人の在宅酸素、麻薬、ひとりでできない出産と死、汲み取りトイレ、 医療保険制度、介護ヘルパーさん、痛みのことなど、詳しく書かれています。 24時間つながる家庭医を持つということは、心強いと思います。 先生のご本は、今の日本の医療介護状況を正確に表現していて、一般の人々に非常に役に立つ本だと思います。 2017/08/23