内容説明
書家・谷村玄斎は、貧しい少年時代を過ごした。手作りの石の硯、薪の燃え殻の炭、藁で作った筆で書を学んでいたあの頃…そこには、必ず養母・夏代の艶やかな肌のぬくもりがあった。地位も名誉も金も手に入れた玄斎だったが、八十歳を迎えてもどこか満たされぬ思いを抱えていたある日、東尋坊で一人の少女と出逢い、少女の裸身に究極の墨の美を描きたいという欲望が芽生える。それは、夏代の鎮魂の意味を持っていた…。貧しさから這い上がった男が最後に求めたものは、何だったのか!?“書の鬼才”が赤裸々に描く激動の生涯。
著者等紹介
金田石城[カネダセキジョウ]
1941年、福島県生まれ。書道家。全日本書道芸術院理事長、日本墨アート協会会長。墨の魔術師と呼ばれ、独自の表現を確立する。書・画・篆刻・陶芸・写真など多彩な芸域に表現の場を求め、活動している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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散文の詞
135
書道家の半生が描かれると言うので、どのように目覚めるかとか、どういうきっかけで才能が開花するのか、また、大成してからもどう生きるのかとかが描かれるのかと思ったら、なんとも凡庸で、小説というより、自己満足の自伝のようです。 だとすると、最後の裸体に云々は、異常性の肯定でもあるんでしょうか。 2021/11/17
kitarou
1
映画化とあったので、とりあえず読んでみましたが、ちょっと期待外れでした。平板なまま物語が展開、最後も何の盛り上がりももありませんでした。なかば、作者の自伝的な部分と、希望とが入り混じった自己満足な作品のように思えます。これほど心に響かない本は久しぶりです。2017/04/06
のん
0
芸術家の頭の中にある、私の知らない世界。2021/03/01
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