内容説明
家を出た兄が実家の農地の生前贈与を求めて突然帰ってきた。しかし、「2月末日までに清水京子という女性が来たら土地を譲渡してほしい」という遺書を記し自殺。兄はなぜ死んだのか。そして、女は何者なのか。期限の意味は。死の真相を知るため、弟の英二は一人京都へ向かうが―そこは、虚実入り混じる言葉で築かれた伝統の町。腹黒、嫌味、皮肉に塗れた“告白”が真実を覆い隠す。最後の1頁まで気が抜けない!表裏、黒白、真偽が次々と逆転するノンストップミステリ。
著者等紹介
下村敦史[シモムラアツシ]
1981年京都府生まれ。2006年より江戸川乱歩賞に毎年応募し、2014年に『闇に香る嘘』で第60回江戸川乱歩賞を受賞。同作は「週刊文春2014年ミステリーベスト10」国内部門で2位、「このミステリーがすごい!2015年版」国内編で3位と高い評価を受ける。その後も『叛徒』『生還者』を続けて発表。『生還者』は第69回日本推理作家協会賞の長編及び連作短編集部門の候補作となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
248
注目作家の最新作。そうさ、京都や京女のイメージはあったさ。だが、いいのかなぁこれは・・と思いながら読了した。京都出身の作家だから書けたのかな?京都の中でも線引きがあるのか?なんかオカシイと思うのは『よそ』の人間だからなのか?何をどう言っても『はぐらかされて』しまいそうな余韻。優しい顔の裏の裏は表だ!こんな心理描写は疲れる。自分の心さえ怪しくなってくるではないか。それにしても、英二も大概にせいよって言いたかったが、英一もなぁ・・この中の誰にも感情が揺さぶられずに終わってしまった感。2016/12/13
しんたろー
213
「熱い想いや社会問題をエンタメとして楽しませてくれる」が何作か読んだ印象だが、本作は疑問符だらけ…事件自体の謎が弱いので好奇心が持続しないし、主人公のキャラも弱いので共感も出来ない。京都の文化は丁寧に紹介していて勉強になったし「京都人の言動こそがミステリ」と感じる面白さはあったが、著者の良さが出ているとは言い難い。好意的に考えれば「切ないラブミステリで新味を狙ったのかな?」と受け取れるが、上手くいっているとは思えなかった。辛口な感想になったが「熱い下村さん」に引き続き期待する気持ちに変わりはない。2019/06/13
ダイ@2019.11.2~一時休止
212
本音を出さない京都人との会話がキーポイント。簡単に予想できる個所もありますが面白かった。ただ農家の人間が半年も京都に観光?してて畑は大丈夫なのって疑問が・・・2016/12/11
まちゃ
199
高知の実家に4年ぶりに帰ってきた兄・北嶋英一の突然の自殺。兄の遺言を手掛かりに、弟・英二は兄の死の理由を探しに京都に向かう。衝撃的な出だしで、ミステリーの構成は良かったと思います。でも、英二の言動と行動が少し回りくどくて共感できませんでした。そのせいかせっかくのラストがすんなり心に響かなかったのが残念でした。2017/01/15
🐾Yoko Omoto🐾
190
家を飛び出し各地を放浪していた双子の兄の、突然の帰省、遺産の生前贈与の申し出、そして自殺という不可解な行動に強い疑念を抱く弟が、真実の鍵を求め京都へ。京都という土地が生んだ言葉遣いの奥深さ、伝統行事への並々ならぬ思いや老舗故の苦悩がとても興味深い。また京都人同士、互いに本心を理解しながらの皮肉の応酬は小気味良く、「正直者がいつも必ず本当の事を言うわけではない」という言葉通り、表面上波風立てずにやり過ごすには、程度の差こそあれ違って当然の本音と建前。その辺りを非常に巧くミステリに絡めた面白さがあった。➡2017/01/15




