内容説明
世界中の女性に愛されるウエディングドレスを制作し、国際的なファッションデザイナーとして活躍する佐倉玖美。草分け的な婚礼貸衣装業を展開し、結婚式のひとつの様式を築いた服飾研究家の田代窓子。生い立ちも性格も体つきも対照的な女学校の同級生。「夢」と「自立」をめぐる女たちのレジスタンス!
著者等紹介
玉岡かおる[タマオカカオル]
1956年兵庫県生まれ。神戸女学院大学文学部卒。87年「夢食い魚のブルー・グッドバイ」で神戸文学賞を受賞しデビュー。「お家さん」で第25回織田作之助賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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いつでも母さん
111
面白かった。女学校の同級生であり生涯の友・生い立ちも違う二人の女性の花嫁衣装を通しての一代記。一人はは子供はいないが国際的ウエディングドレスデザイナー、もう一人は妾の子の意地で嫁ぎ頼りない夫に子育てを任せ義姉の仕打ちにも負けず婚礼貸衣装業を展開した女性。時代の波に呑まれながらも逞しく生きてきた彼女たち。朝ドラか?と思うほど濃いが、胸打つ言葉も多々あって・・父が用意した花嫁衣装は娘を天上に送る男親の最大の贈り物。絆と云う字はへその緒という糸で半分になる。どうせ頑張るのは自分自身等・・妙に納得の読了だった。2016/07/15
ゆみねこ
84
女学校で出会った夢見る少女たちの戦後は、一人は和装結婚式を貸衣装業界で発展させ、もう一人はブライダルという言葉を日本に広め、ウエディングドレスを日本女性の体型に合わせて作り出した。お一人は言うまでもなく桂由美さんがモデル、和装の窓子さんは創作だとのこと。ちょっと期待度が大きかったせいか、物足りない読後感でした。2016/08/04
ミーコ
65
図書館の新刊棚で見付けた1冊。久しぶりの玉岡さん、途中までは 合わないかも?と、思いながら読んでましたが 徐々に引き込まれ 時代の流れを感じながらの読了。最初 ウェディングドレスは駆け落ちの花嫁衣装とは知りませんでした。女性二人の昭和初期から 現在までの移り変わり 人生を映像を見ている様で感慨深く読めました。2016/09/18
おかだ
55
興味深かった。日本のブライダル界の第一人者・桂由美さんをモデルにしたお話。戦後の日本でどのようにウェディングドレスが根付いていったのかよく分かった。昔は和装が当たり前だったのに、今は白いドレスが当たり前なんだから凄いよなあ。しかも戦時中は和装さえ叶わなかった…。時代の移り変わり、価値観の変遷を感じさせる。戦後の女性達を幸せにした、ウェディングドレスの玖美とレンタル和装の窓子、二人の先駆者の対話。どっちも本当に「ブリヨン」だった。2018/01/17
baba
52
女学校の同級生の二人が戦争を経て、憧れであった美しい物に取り組んだことを再会して話した数時間の出来事。和装貸衣装とウエディングドレスと違う業界を生きた二人が語る戦後のウエディング業界。表紙絵の様に夢のある話と、大変であった戦後の暮らし、特に和装の窓子の人生は壮絶でこれだけを話しにしたら面白かったろうにお茶を飲みながらの話しでは愚痴に聞こえてしまうのが気の毒。「天涯の船」「お家さん」のような女性一代記を期待したがちょっと物足りない。2016/08/20
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