内容説明
関ケ原の合戦から150年。徳川に歯向かった西軍として、いまだ敵視され続ける薩摩に非情な命が下る。天下の暴れ川・木曽三川の、絶対不可能とされる治水工事―。1000人の藩士が“薩摩の本気”を胸に秘め、一路美濃へ旅立った。これは形を変えた関ヶ原の戦い―。己の責務に命をかけた男が、艱難辛苦の末、辿りついた衝撃の結末!
著者等紹介
村木嵐[ムラキラン]
1967年、京都市生まれ。会社勤務を経て95年より司馬遼太郎家の家事手伝いとなり、司馬氏の夫人である福田みどり氏の個人秘書も務めた。2010年、『マルガリータ』で第17回松本清張賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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宇宙猫
25
挫折。他では分からないが、この辺では有名な話で学校でも習った木曽三川の治水工事の話。目新しさがないのと陰気な感じに挫折。2017/07/10
真理そら
17
『孤愁の岸』(杉本苑子)と同じく薩摩藩が命じられた木曽・長良・揖斐川の工事を題材にした作品。理不尽とも思える命令で苦悩する薩摩藩士の姿は辛いが、川普請の進行状況などが興味深かった。平田靱負の強さが印象的。確かに「新しい風は薩摩から吹いてくる」ということになった。2018/08/26
コリディ
8
10点。宝暦治水、平田靭負、薩摩義士。史実としては知っていたつもりだが、こうして小説として読むと改めて感動する。頂上至極というタイトルも意味を知るとまた泣かさせる。大河ドラマにでもなって、もっといろいろな人に知って欲しいし、後世に語り続けていくべき史実だと思います。2019/09/06
ようこ
2
木曽三川公園、治水神社、平田靫負は幼い頃から親しんだものだった。この小説を読んで、輪中の人に意地悪されてもこらえる薩摩の人の我慢強さに感動した。石は米俵、工事に携わる人だけでなく国にいる民も食うや食わずだったのにも感動した。今を生きるだけの自分と比べて、朝鮮出兵、関ヶ原までさかのぼり自らの在り方を考えている人々のすごさにも感動した。妻佐江の「今生でございますか」とストレートに尋ねたあたりでは涙がでた。2024/12/15
あいべきん
2
似非鹿児島県民として、こういうことがあったというのは存じてましたが、ここまで大変な工事で、しかも亡くなったのが事故のせいではなく病気と腹切りだったという。ちょっと衝撃でした。何とも辛いお役目をさせられたもんだ。もうちょっとみんなが最初から協力的だったらよかったのにと思ってしまうは、私が単純だからですけどw でも、薩摩のお侍様が手抜きもせず、投げ出すこともなくてよかった。そこだけは誇らしい。2020/06/05