内容説明
ありふれた三面記事。見ず知らずの他人の出来事に鏤められた貴和子という女の人生。彼女はどんな罪を犯し、彼らに何をしたのか。そして貴和子は―幸せだったのか。
著者等紹介
まさきとしか[マサキトシカ]
1965年東京都生まれ。札幌育ち。2007年「散る咲く巡る」で第41回北海道新聞文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
130
『きわこ』・・一体何者なの?噛みしめて噛みしめて行きつ戻りつしながら、やっとの読了に。こういう構成は誰かの作品でも読んだはず。だが、なかなか『きわこ』が」掴めない。嗚呼、自分の読解力が足りないのだろう・・しかし振り回されるほど振り回してもいないのに、この薄気味悪さはなんだろう。まさきとしか・・やっぱり油断がならないなぁ。2017/06/03
おくちゃん🌹柳緑花紅
99
第一章から五章までそれぞれの章の最初に三面記事、それらの事件は全く違うのに一人の女性の存在が……。この女性特に美しいわけでもないらしいが男性には気になり惹かれる存在らしい、よって女性からは疎まれる。普通の生活を求めていた彼女の波瀾万丈、第五章で全てが繋がったと思った瞬間ラストに書かれている三面記事に、えっ?この二人は誰???もしかしたら。。まさきとしかさん作品、油断していたら迷子になりますよ。2017/10/24
@
89
きわこ、きわこ、きわこ…。主人公としては決して登場してこないきわこだけど、いつも色濃くその存在が感じられる。時には、悪女のような女に、時には子煩悩な母親の顔に。本当のきわこの顔は見えなくて、表紙のように決してこちらは向いてくれないんだけど、その存在からなんとなく哀しさとか寂しさが感じられる。最後のおちがいまいちわからなかったけど、ネタバレを見て納得。普通の幸せを手に入れたくて、他の人たちとなんら変わらない平凡な幸せがほしかっただけなんやろうに、世の中はうまくいかないようになってるのかな、哀しいよね、2016/02/20
itoko♪
88
新聞の三面記事から始まる、5編のストーリー。そのどれにも登場する『希和子』という女。ただただ『平凡な家庭』が欲しかっただけ。なのに、何処か人の心を乱し、いつしか心に入り込んでしまう…本人の預かり知らないところ、というのが恐ろしい。ラストに大きな謎が残り、気になって仕方がない。一人は想像がつくけれど…。だけど、こんなにも人の心に印象を残すなんて、希和子はある意味 幸せだったのかも知れない。2015/10/19
pukupuku
80
なんだか、後味の悪い感じの話ばかり。ポツポツと読んだから、貴和子さんがキモになっているのはわかるのだけれど、イマイチ繋がりがわからなくて、貴和子さんがらみの救いのない5つの短編だったみたいってぐらいしか残ってない。ちゃんと繋がれば面白かったのかな?いや、決して面白い話じゃない。結局のところ、貴和子は魔性の女だったの?ただの天然系の人だったの?読み解けない自分にイラっ。うーん、なんかすごく嫌悪感だけが残ってる。2016/02/17