内容説明
笹川良一の息子として受けいれざるをえない宿命と、みずから選んだ使命とは。75年間の総決算。
目次
第1章 闇と光―ハンセン病と向きあう
第2章 正と負―笹川良一と笹川記念保健協力財団
第3章 経と横―ハンセン病制圧への道のり
第4章 公と共―日本財団という方法
第5章 義と情―日本への思い
第6章 天と地―母なる川の国~インド
第7章 土と水―忘れ得ぬ場所・忘れ得ぬ人々
著者等紹介
笹川陽平[ササカワヨウヘイ]
1939年1月8日東京生まれ。明治大学政治経済学部卒。現在、日本財団会長、ミャンマー国民和解担当日本政府代表、WHOハンセン病制圧大使、ハンセン病人権啓発大使(日本政府)ほか。40年以上にわたるハンセン病との闘いにおいては、世界的な制圧を目前に公衆衛生上の問題だけでなく、人権問題にも目を向け、差別撤廃のための運動に力を注ぐ。ロシア友好勲章(1996)、WHOへルス・フォア・オール金賞(1998)、ハベル大統領記念栄誉賞(2001)、読売国際協力賞(2004)、国際ガンジー賞(2007)、ノーマン・ボーローグ・メダル(2010)など多数受章・受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Hiroki Nishizumi
6
すべてはハンセン病撲滅のために。毀誉褒貶の多い父を持つ著者の思いが情熱が伝わってくる。ハンセン病について一般以上の知識がなかったが断片的とはいえ理解が進んだ。大物である父親はネガティブキャンペーンを散々耳にしてきたが結果としては優れた人物ではなかったのだろうかと感じた。またそれを受け継ぎ日々活動している著者も立派だ。2015/05/25
モルツー
3
日本では「凄く少なくなってるし罹ったとしても治せる病」であるハンセン病。しかし、世界にはまだ現在進行形で罹患する人が居て、昔と変わらず差別対象になっている現実があるのだと知ることができた。その現実を変えるため、笹川財団が行ってきたこと。著者である笹川氏の自慢も多少見え隠れするが、どうであれ現地に赴いて患者や元患者と直接話しをして、ハンセン病をどうにかしようとしているその心意気は素晴らしいと思う。2015/07/26
仙人
0
頂いた本。笹川良一の三男「陽平」氏の著作。良一氏についてはほとんど知識はないのですが漫然とギャンブル競艇の胴元といったどちらかというと負のイメージを持っていた。しかしその部分は人道活動を国際的に展開するための資金調達策とのこと。陽平氏はこの事実無根の負のイメージを払拭することと、良一氏の人道活動、特に全世界のハンセン病制圧を引き継ぐことを使命とした。本書は陽平氏が世界中を回り各国の大統領、政府高官等とも面談、通常の交通手段では行けないような隔離された療養所等も必ず訪問したと書いている。読んだ限りでは凄い。2021/06/21