内容説明
清朝、満洲の滅亡に翻弄され、逃げて逃げて生きた。同性愛、女官との宮廷秘話、皇后・側室との異常性愛の真相が遂に明らかに。歴史の残酷を赤裸々に描く実話巨編。宦官は見た!最後の皇帝「溥儀」の愛欲と悲劇。
目次
第1章 紫禁城の幼帝
第2章 宦官と女官
第3章 憂鬱なる結婚
第4章 流浪する廃帝と離婚劇
第5章 満洲国皇帝の光と影
第6章 后妃たちの終戦
第7章 それぞれの断崖
第8章 火龍の末期
著者等紹介
加藤康男[カトウヤスオ]
1941年東京生まれ。編集者、ノンフィクション作家。早稲田大学政治経済学部中退ののち、出版社勤務。退職後は近現代史などの執筆活動に携わる。『謎解き「張作霖爆殺事件」』(PHP新書)で山本七平賞奨励賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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鱒子
64
図書館本。面白い。史実をベースにしつつもエンタメ要素が入った本です。ノンフィクション・ノベルという立ち位置で、溥儀とその周辺の人物に光を当てています。宦官の浄身、纏足のエロスの理由など、個人的に知りたかった事が書かれており満足。歴史の中で翻弄される人生ーー映画 ラストエンペラーをもう一度観たくなります。2019/03/20
まるるこ
17
「ラストエンペラー」はずいぶん前に観た映画ですが、映画の前に 本を読んでいたら、映画の見え方も、変わっただろうなあと、思いました。 こんな時代、こんな環境の中で育たなければ、全く違った人になっていたに違いないと思うほど、特殊な世界を生き抜いた溥儀。生き抜くことには 執着して長いものにまかれ続けた溥儀。 本人はともかく、王妃、側室たちが気の毒でした。 以前、愛新覚羅浩の本を読んだことがあるのですが、溥儀と比べたら 溥傑は、すごくまとも?ですね。2016/10/24
mutuki
8
2歳で皇帝の座についてからの、紫禁城の生活が、なんかもう日本とはスケール違う。数千人の宦官・数百人の女官にかしずかれ、城から一歩たりとも出ることは許されない。 その後、あらゆる人たちに利用され、歴史に翻弄されながらも殺されることなく生き抜いた。最後まで身の回りのことが器用にできなかったというのは、究極の「おぼっちゃま」でもある。第一婦人、第二婦人の人生が切なすぎる。2018/08/24
さくちゃん
7
ノンフィクションノベルなのでとても読みやすかったけれど、溥儀の自伝やその他関係者たちの証言などは相当な政治的圧力が働いていたとされるため本当のことなのかどうか疑わしく、やっぱり真実はよく分からないまま。でも宦官の日常や溥儀と妻たちとの関係などは読み物として面白かったです。2015/05/06
もう
7
清朝時代の最後の皇帝溥儀の波乱万丈、紆余曲折な人生が綴られている。その周辺に生きた后妃や宦官たちの生きざまも詳しく書かれている。映画ラストエンペラーをもう一度観たくなった。2014/03/10