内容説明
昨日のルールが今日には旧弊と化してしまうほどに、時代は目まぐるしく動いていた。そして、その渦中にいる梨田にも、彼の周囲にも変化が訪れる。恋仲の女子大生・水穂はタレント活動を始め、同期の社長令嬢は独立への思いを強くしていた。広告代理店に勤務する梨田は、新入社員であるにもかかわらず秘密の裏仕事を請け負うように。常識など意にも介さないかのように見える彼だが、人知れず焦燥を抱えていた。自分は何のために生まれてきたのか―。満たされない思いは、大金が飛び交う麻雀、そして二人の美女との濃密な情事に救いを求める。彼が行き着くのは無残な破滅か、それとも…。
著者等紹介
白川道[シラカワトオル]
1945年北京生まれ。一橋大学卒業後、様々な職を経て、80年代バブル期に株の世界に飛び込み、大いなる栄光と挫折を味わう。94年、自身の体験を十二分に生かした『流星たちの宴』で衝撃のデビュー。2001年、『天国への階段』が大ベストセラーとなり、ドラマ化もされる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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山田太郎
54
いくらなんでもうまくいきすぎというか知り合う人間がみんな大物でなんかすぐ気に入られるとかいろいろありますが、このご都合主義は面白いというか男の夢みたいなもんだな。最終的には作家になって、自分の本がドラマ化されたりするのでしょうか、やっぱり。そしてかみさんは編集者。2014/02/18
myunclek
20
梨田に一番似合わない妊娠の事実。豪快に破天荒に生きてるようだけれど、実は繊細。痺れるような勝負の場面は少なかったものの、お互いに認め合ったもの同士の絆の深さを羨ましく思ったり^_^2015/02/17
KAZOO
20
広告代理店に就職して、課長や部長からは結構重宝がられています。女性にももててこれから高度経済成長時代ということで背景がよくわかります。弘兼さんのコミックの「島耕作」を思い起こしてしまいました。麻雀の賭けるレートは相変わらずですね。2014/08/18
遅筆堂
19
梨田は、若干、大人になった感じ。相変わらず面白い。私は絶対にこうはなれないけれども、こんなふうになりたいという憧れはある。小説の世界だから安心して読める。まあ、間違いなく次作品も出るだろうから、楽しみ。初めて単行本で購入してしまった。文庫本になるまで待ちきれなくて(笑)2014/03/15
Rie
15
病葉シリーズ。タイトル通りの内容といえるのか。広告代理店に勤める梨田。恋人は水穂とベティ、真逆な印象の二人と姫子ママ。相変わらずの博打麻雀。大阪にいたときに出会った人との思わぬ再会などもあり面白い。とはいえ麻雀のルールが未だにわからないので卓を囲んだやり取りは雰囲気だけ味わうのみ。最後はやっぱりな展開といえるかな。続きはどうなるんだろう。2014/01/31