内容説明
巨大メリケン戦艦を止めることができるのか!?ペリー来航の七年前。歴史の陰に埋もれた、アメリカと日本、知られざる男たちの物語。胸熱くなる、歴史エンターテインメント。
著者等紹介
熊谷敬太郎[クマガイケイタロウ]
1946年東京都生まれ。学習院大学経済学部卒。広告代理店・大広勤務ののち、雑貨製造輸入会社社長。2009年「ピコラエヴィッチ紙幣」で第2回城山三郎経済小説大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
シュラフ
18
知らなかった歴史の事実。幕末のきっかけとなった1853年のペリー来航は誰もが知るところ。だが、ペリー来航に先立つ7年前の1846年にすでにビッドル司令官がアメリカ艦隊を率いて江戸湾に来ていたという。しかも奉行所との行き違いからビッドル自身が殴られるという、一発触発の状況であったという・・・突然のペリー来航で江戸幕府が驚愕したというのなら分かるが、実はその7年前に江戸湾への異国船侵入の事件はおきている。とすれば同様ケースへの対応準備をすべきであり、ペリー来航にもう少しスムーズな対応ができたのではなかろうか。2014/10/12
きーよ
4
ペリーの7年前、米国の軍艦二隻が通商打診に江戸湾に投錨し、封鎖状態。その事態の打開に奔走した川越藩の内池武者右衛門の日記がベース。沿岸警備の武士達と好奇心とファーストコンタクトの緊張が隠せない提督以下の米国側を交互に描き、臨場感はいや増す。当時、西欧と交易を行った多数の隣国が植民地化され、疲弊していたことを考えれば、鎖国は最善策と思える。ロシア海軍士官ゴロブィニン「日本幽囚記」も面白そう。米艦が親書を持って帰国の途に就いた後の日本の悲惨な顛末が一転、溜飲が下がる仕組みも読後感を爽やかなものにしている。2014/01/05
しおちゃん
3
爽やかでせつない物語。居合切りにアメリカ人はびっくり仰天。 武者右衛門の小気味よさ。 せひ映画化してほしいです。2014/01/08
チャーリー
2
ペリー来航の7年前に来航したビットル提督の話は知らなかった。交渉の際に起こった事件は文化の違いによる悲劇である。ただ、物語としては最後の展開でホッとさせられる面白さがあった。2016/05/03
TATA
2
面白かった。熊谷さんは三作目、どれもそうですが歴史の深さを開帳しつつ読ませてもらえます。これもドラマになればいいのにと思う傑作。だけどあまり読まれてないですね~。周りの人に薦めよう。少しでも興味を持って手に取る人が増えますように。2015/03/11