内容説明
取り調べで右に出る者はいないと言われた落としのプロ・樫村恭祐。だが、不当な人事で新設の組織犯罪対策部マネーロンダリング対策室に異動させられる。ある時、事情聴取を受けていた信用金庫職員が自殺する。組織ぐるみの資金洗浄を疑うマネロン室だったが、マル暴の四課、薬物の五課が幅を利かせる捜査本部で肩身の狭い捜査を強いられる。捜査が難航する中、奇しくも突破口となったのは、樫村が背負い続けてきた重い人生の十字架だった―。
著者等紹介
笹本稜平[ササモトリョウヘイ]
1951年千葉県生まれ。立教大学卒。出版社勤務を経て、2001年『時の渚』で第18回サントリーミステリー大賞と読者賞をダブル受賞。04年『太平洋の薔薇』で第6回大藪春彦賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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タックン
50
組織犯罪の温床になってるマネーロンダリングがテーマの話。面白いテーマだけど不透明なお金の流れの話だから難しかった。政財官の大物フィクサーに官僚・悪徳警官等が悪すぎる。実際はもっと複雑で不透明でこんなにスッキリ解決はしないのではないかなあ?2013/11/07
シ也
43
埼玉県の山中で見つかった事件関係者の自殺死体。臨場した元捜査二課という経歴を持つ警視庁組対部総務課対策室四係の樫村は捜査を続けるが... というストーリーで、相変わらず笹本作品は偉い人と戦う刑事が多い。それから上司が無駄に有能かつ格好良いのも相変わらずで、こんな上司いるのだろうか... と苦笑。今回は金の流れがメインなので途中よく分からなくなる事があったが、犯罪者も頭が良いのだなぁ... と変に感動2016/03/09
RIN
31
笹本さんの警察小説は初めてかな?悪くはないけれど、笹本さんの描く〝熱い男たち”は組織内の軋轢とか権力闘争とかそういう小さい器の中では浮いてしまうような。例えて言えば、宝塚出身の女優さんがテレビドラマの中では話し方や動きが大きくてテレビのフレームからはみ出しそうで浮いて見えるのと少し似ている。ストーリーそのものは面白かったが、マネロンそのものへの言及が薄いのが残念。とはいえ、シリーズになったら次も読むと思う。2016/05/03
カワセミ440
18
『警察庁 刑事局 組織犯罪対策部 組織犯罪対策企画課 犯罪収益移転防止対策室』警視庁のH/Pをのぞいてみると、マネロン室に相当するのはこの部署のようだ。ホントにあるんだな、こんな部署。警察機構なんて私全く知識がないから。なので結構面白く読めました。大物フィクサー/悪徳警官とマネロン室の戦い、そういう結果になるのはお約束なんだろうけど、実際のところはどうなんだろう?犯罪小説(警察小説も)もその範囲が広がっていくんだろうな。昔ならこんな話が小説になるなんてなかったような気がする。警察官も次から次、大変だな!2014/12/09
カープ坊や
17
最後までハラハラドキドキの展開に大興奮で一気読み! 政財官のフィクサーを追い詰めたラストには拍手喝采なれど、...........現実の世界では逆の展開になる事は確実なだけに残念だ!2013/11/01