内容説明
1972年テルアビブ国際空港作戦から40年。奥平剛士・安田安之・山田修・檜森孝雄・丸岡修…彼らと闘ったひたすら未熟な正義の日々は、何かを変えたのか。重信房子が医療刑務所の病床で綴る、リッダ闘争から「アラブの春」まで。
目次
1章 1971年日本脱出
2章 アラブとの出合い
3章 映画の戦友たち
4章 リッダ闘争の時代
5章 リッダ闘争後の私たち―ドバイ闘争・第4次中東戦争
6章 ユセフ檜森のこと
7章 ニザール丸岡のこと
付章 アラブの民衆革命とリッダ闘争40年目に
著者等紹介
重信房子[シゲノブフサコ]
1945年9月28日東京都世田谷区生まれ。65年明治大学2部文学部史学科に入り、67年社会主義学生同盟(ブント)に加入。71年2月、奥平剛士と結婚し、日本を出国した。73年3月、娘メイを出産。2000年11月、大阪で逮捕された。10年8月、懲役20年(未決勾留日数2991日を含む)の刑が確定。現在は医療刑務所で服役している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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マリリン
33
いつ耳にしたのか目にしたのか...連合赤軍関連の事が知りたくて読んだ。浅間山荘事件の前に連合赤軍が分裂状態だった事は本書を読んで初めて知った。著者が目指していたもの全てに共鳴できないが、結果的に逮捕されたもののその情熱と行動力に驚く。ボランティアで参加したPSLPとの間に少しずつ距離が出来ていった気がする。現地で「日本赤軍」としての活動を目指したが時の流れとの温度差をを感じた。森恒男という存在があったが、視点を海外に向けた真意はやや理解に苦しむ。獄中死した岡本受刑囚の悲惨な生活を知り報道の偏りを感じた。2020/08/09
midnightbluesky
10
“受刑者の手記”と片付けてしまうのはたやすいが、政治の季節を知らない世代の私にとって、彼らを突き動かすものはなんだったのだろう?確固たるものを持たないものがない人がほとんどの今、その経緯や結果がどうであれ、何かが失われた今であることを実感してしまった本。2014/01/16
テツ
6
重信房子本人は、というか日本赤軍という団体自体には彼らを知った瞬間から今までずっと嫌悪感があるけれど、今日まで続くパレスチナ周辺の紛争について知るには良い本でした。パレスチナ問題について一応当事者側に立ちある程度の知性を持った日本人によって書かれた物というのは貴重なんじゃないだろうか。生き方やその行いについては全く善い部分は感じないけれど、彼女の意思の強さや知性(下手に高い知性があるから厄介なんだろうけれど)については敬意を払いたい。2014/07/13
マーク
5
32 力の入った作品。覚悟足る信念で闘争を進めてきたのであろう、真摯に社会に向き合ってきたのだろうが、やはりテロリストなのかなぁ ●奥平、安田、完全なる覚悟。最後のローマの一日。決意が揺らぐ事はなかったのだろうか 奥平の最後の手紙泣かせる。特に両親宛 ●重信が空港乱射を凄く肯定的に捉えているのには強い違和感。罪無き一般人を多数殺戮したテロなのに、イスラエルへの報復であれば許されると思っているのか? ●マルクスとイスラム、この巨大なギャップ ●1973年以降2000年くらいに逮捕されるまで完全に抜けてるね 2022/06/11
猫草
5
久々の重信の本!反米帝国主義に貫かれた思想にゆらぎはない!世界革命に燃え尽きた若者たちの無謀さ危さを完全否定出来ない・・・ゲバラがキューバでの革命を成功させた後に新たな革命を求めてアフリカやボリビアに行った無謀さや危さに憧れるからか・・・2013/08/24