内容説明
2年前に自殺した腹違いの兄の墓参りをするため、避け続けてきた故郷に12年ぶりに帰ってきた綾乃。兄は高校時代の親友・日南子の恋人でもあった。翌日、綾乃は、顔を見る気もなかった父の前に引っ張りだされる。そこで聞かされたのは、驚愕のセリフ―私の議席は、お前が継げ!綾乃にはまったくそのつもりはない。だが、その夜、事件は起きた。綾乃は、幼馴染にして今は地元を牛耳る暴力団の組長・天堂に紹介された女ヤクザ・穂波とともに、兄の死の真相を探るため、街を疾走しはじめる。
著者等紹介
牧村一人[マキムラカズヒト]
1967年千葉県生まれ。多摩美術大学卒業。2006年「俺と雌猫のレクイエム」で、第45回オール讀物推理小説新人賞を受賞。09年『アダマースの饗宴』で、第16回松本清張賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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うめけろ
5
そこそこ面白かったのですが、主人公と穂波姐さんのキャラが被っているので(話し方がほとんど同じなので)少し読みにくかったです。そういう意味では登場人物のキャラにメリハリがなかったかなー。ストーリーは意外と(と、書いては失礼ですが)正統派で、可もなく不可もなく。初めて読む作家さんでしたが、別の作品も読むかと問われれば機会があれば読んでみようかな、と思います。そんなレベル。2012/12/10
ren5000
4
まず表紙のカバーがよくないです。それもあってか全体的に軽い感じがして話に入っていけませんでした。主人公もなぜ日南子にそこまで肩入れするのか理解できなかったし、それぞれの登場人物もいまいち中途半端でした。ちょっと残念。2013/01/30
Tomokazu Kumada
4
2年前に自殺した腹違いの兄の墓参りをする為に、避け続けてきた故郷に12年ぶりに戻ってきた「赤尾綾乃」。故郷で久しぶりに再会する同級生であり兄の恋人だった「三上日南子」・互いに惹かれあっていたものの、立場的に一緒にいることが出来なかった幼馴染みでヤクザの息子だった「天堂亮輔」。12年ぶりに再会した父親・大物政治家の「恩田冬一郎」から告げられたのは、自分の議席を継げというモノでした。申し出を断り、爆発事件に巻き込まれた綾乃は天堂の部下、元自衛官の女ヤクザ「穂波」とともに兄の死の真相を求めて奔走します。2012/12/27
外道皇帝
4
大物政治家の妾腹の綾乃が死んだ兄の墓参りに帰省すると父から自分の議席を継いで政治家になれと要望される。そんな時に高校時代の親友・日南子の部屋が放火される。。。。元自衛隊員でチャキチャキの穂波がいいキャラなんだけど、全体的になんか微妙に惜しい感じが満載。表紙カバーも物語に合ってないし、もったいない。2012/12/21
み~くま
4
お笑い系の軽いミステリーをイメージして手に取ったのですが、予想に反して真面目なミステリーでした。良い意味で、表紙のイラストに騙された感じ。手の込んだトリックもなければ、大きなどんでん返しもない、まさに正統派のミステリー。最近読んだ作品は奇をてらったミステリーが多かっただけに、たまにはこういう作品もいいかな♪という印象でした。ハジメマシテの作家さんだったけど、なかなかの好感触☆ 機会があれば、違う作品も読んでみたいと思います。2012/10/30