内容説明
石神井台警察署の清水刑事は、ある警察署の受付で見覚えのある女性と出会う。彼女は、清水が担当したひき逃げ事件の被害者遺族だった。親友が行方不明のため、捜索願を提出しに来たという。「不倫の果ての失踪に違いない」と担当刑事は言うが、清水は強い違和感を覚える。そして、ひとり捜査を始めるが…。大切な人を守りたい―そう願う男がいた。人生をやり直したい―そう悔む女がいた。二人が出会った時、運命の歯車が狂い始めた。
著者等紹介
天野節子[アマノセツコ]
1946年千葉県生まれ。初めて執筆した小説『氷の華』は2006年自費出版からスタートした後、07年単行本として出版、その後、文庫化され35万部を超えるベストセラーとなる。ドラマ化もされ、62歳の大型新人として注目を浴びた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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いつでも母さん
138
『烙印』でも登場した小島君、良いところを持っていきましたね。とても好感が持てます。美香子との先に期待をしてしまう。で、本作・・中禅寺湖・日本で7番目に深い湖こんな最期は哀しすぎる。置いた母を一人残してはいけないと云うよりも母が大切なのだ。母とならどこへでもと思える息子の心理は妻の立場からは異議あり!なのだが、そもそもが愛する相手との再会がこの事件の始まりだったのだ。だが、哀しいかな全ては計画通りにはいかない。それでも愛する人はどこまでもその愛を貫き男を守るのは天晴れと云うほか言葉が無い。キーは三猿か・・2016/04/27
takaC
94
複雑難解な事件だった。2017/02/24
ダイ@2019.11.2~一時休止
84
犯人の大切にしている人とそうじゃない?人への態度が極端すぎますなぁ。2019/09/07
さっこ
56
天野さんの作品は不穏な空気をまとっていて一気読み。旅先で失踪した親友、住宅地でのひき逃げ事故。二つの事件が結びついていく。認知症、介護、不倫など人間模様が渦巻いて謎をよび、前半はとても引き込まれて読みました。中盤は少し中だるみした感じ。動機がちょっと弱い感じもしました。認知症の母親の日記には泣かされました。
taiko
51
旅行先から戻った葉子が行方不明になった。旅先でお土産を選んでいた葉子が家出をするとは思えない。彼女はどこに行ったのか。…2つの事件が微妙に絡まりながら話が進みます。視点が少しずつ変わること、登場人物が多いことに、混乱しましたが、先が気になり、面白く読みました。最終的には、誰も裁かれることなく終わった事件となりましたが、被害者遺族の心情を思うと複雑です。特に、千里は許し難い存在になるのではないでしょうか。引越し時の千里の涙には、同情する気にはなれませんでしたし、やっぱり私は千里が罪深いと思ってしまいます。2016/12/18