内容説明
女性初の有人潜水調査船パイロットを目指す天谷深雪。深海に棲む未確認巨大生物を追い求める高峰浩二。目的は違えど、想いはひとつ。爽快深海エンターテインメント。
著者等紹介
朱野帰子[アケノカエルコ]
1979年東京都生まれ。2009年「マタタビ潔子の猫魂」で第4回ダ・ヴィンチ文学賞大賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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モルク
97
潜水調査船しんかい6500の女性初のパイロットを目指す深雪。訓練中に閉所恐怖症になるが、存在さえ知らなかった幼い異母弟と暮らすようになったり、海洋学者だった亡父が追った謎の生物を探す同僚との出会いで克服していく。主人公深雪が好きになれず残念。子供の頃水着になって自宅から海に行けた私だが1度溺れそうになってから海への恐怖がぬぐえない。プールでは泳げても深海は絶対無理❗だが彼ら乗組員の自分が潜るというより研究者を深海に連れていくという思想はいいなあ。2025/06/24
おかむー
77
作中のJAMSTEC(海洋研究開発機構)も有人潜水調査船〈しんかい6500〉も実在のものだとは知らなかったけれど、だからこそ細部に因われることなく楽しめた。クライマックスにちょっとやりすぎ感もあるので『絶品』には惜しいけれど文句なしの『たいへんよくできました』。〈しんかい6500〉のパイロットを目指す主人公・深雪と亡き父の妄執に囚われた広報部・高峰、ふたりの葛藤と未確認の深海生物にまつわる冒険物語と、並行して描かれる人の未知への夢と、それを実現するための技術と想いの継承が胸をうつ。オススメですよ2015/07/05
tetsu
75
★4 国の面積は世界61位だが、排他的経済水域は世界6位の海洋大国日本。 この本はしんかい6500で深海に潜る女性パイロットを主人公にした話。 海洋研究開発機構が全面協力なのでリアリティもあり、エンターテイメント性のあるストーリーもなかなかいけてました。 人類に残された最後のフロンティア、宇宙と深海。日本は深海探索では一歩リードしている。 レアメタル、メタンハイドレートなど海底資源やイカ大王のような新たな生物の発見など、未来の夢を乗せてこれからは海の時代か。 →WOWOWで2015年にドラマ化2016/06/11
ぶんこ
70
朱野さん初読みです。 深海の調査、資源の事、環境の事。 色々考えさせられました。 深海に生息する生き物を守りたい気持ちと、資源の少ない日本の為には・・・難しいですけれど、調査は続けて欲しいですね。 ところで深海でのパイロットとしては、何かが起こった時、ショックを受けては「目の前が真っ白」になってしまったり、個人的な悩みで集中力が途切れてボォ〜としてしまう人って、怖い。 適性が無いのではと思ってしまいました。 陽生君の将来が楽しみです。 「リュウグウノツカイ」は私もテレビで見て以来魅了されました。2015/07/24
ケンケン
68
(407冊目)初・朱野作品。JAMSTEC(海洋研究開発機構)が有する有人潜水調査船〈しんかい6500〉女性初パイロットと深海に棲む未確認巨大生物を巡る、深海ロマン溢れる成長物語。いやはや〜よくNHKでも海底探査の関連番組観てたので、面白かったこと!! 登場人物たちが、時に厳しく時に優しく、そして夢や使命に向かって、ひたむきに取り組む姿が爽やかである♪ 恋愛・お仕事小説な面も楽しめると思う。 是非、海底探査の世界を味わっては、如何であろうか?2015/06/13