内容説明
彼氏がいるのに、親友に想いを寄せられている。汐梨、平凡な日常と、特徴のない自分に飽き飽きしている。翔多、絵を通して、壊れた家族に向き合おうとする美大生。新、美人で器用な双子の姉にコンプレックスを抱く浪人生。梢、才能の限界を感じつつも、バイトをしながらダンス専門学校に通う。遙。あせりと不安を力に変えた5人が踏み出す“最初の一歩”。
著者等紹介
朝井リョウ[アサイリョウ]
1989年岐阜県生まれ。岐阜県立大垣北高等学校卒業、早稲田大学文化構想学部在学中。2009年、『桐島、部活やめるってよ』(集英社)で第二十二回小説すばる新人賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ダイ@2019.11.2~一時休止
254
連作短編集。伏線は張ってあったけど、最後の終わり方がちょっと・・・。面白かったからいいけど。2014/09/24
風眠
225
連作短編集というか、登場人物がどこかでつながっている人たちなので、同じ時間軸を生きるそれぞれの人生をちょっとだけ切り取ったような感じで、短い物語のなかでも少しだけリンクしているところが面白い(うまく言えないな・・・)。全編読むと、それぞれの小さな日常や葛藤が大きな物語として繋がる感じかな。振り返ってみると決して不幸な人生ではないのだけれど、若い頃は分からなかったなぁ。そうそうそんな感じだった、と思いながら読んだ。この作家が使う言葉の感覚も好きだな。これからも追いかけたい作家だな。2012/07/24
えむ
183
「もうすぐ二十歳なんだよね」。そんな同じ年の男女が持つ不安や悩みを描いた青春群像小説。五編が収めてあり、①汐梨(R大2年)、②佐久間翔多(R大2年)、③渡辺新(美大1年、一浪)、④柏木梢(予備校、二浪中)、⑤遥(ダンススクール2年)が各々の話の中心なのだが、全ては繋がりがあり、同時進行している。④はタイトル作品でもあり、表紙イメージと内容も合致している。五編のなかでは③と④がよかった。16892013/07/21
汐
162
図書館本。それぞれの思いを抱えて19歳から20歳を迎えようとしている5人の物語。自分の理想の20歳はこんなじゃなかったと思いながらも変えられない今。未来に悩んで迷って道の途中にいるから、はっきりと自分の夢や目標、打ち込めることがある人が凄く大人に見える主人公達。そこに感じる劣等感。でも、皆それぞれ一生懸命なんだと思います。20歳なんて凄く大人だと思っていたけどあと5年もしないうちに自分もそうなるのかと思うと不思議な気持ちです。新しい自分と一歩を踏み出すことができればいいなと思います。2015/06/04
美紀ちゃん
148
それでこの表紙!!そしてこのタイトル♪というのが映画の撮影シーンのところでわかる。双子って何かあると思う。心の繋がり?テレパシー?私の母親も双子で、そうみたい。でも個人は主張したいよね。2012/08/08