内容説明
革命運動で七回逮捕された。獄中で読んだ吉田松陰の墓前で、「昭和の松下村塾」を作ることを誓う。後年京都造形芸術大学を設立、さらに縄文の故郷である東北の地に東北芸術工科大学を設立した。「芸術と教育こそが平和を支えるのだ」という信念に貫かれた徳山詳直の初めての自伝。
目次
教えるとは共に希望を語ること
隠岐の島と母親に育まれた少年時代
六人の女を連れて戦地から帰ってきた親父
同志社大学時代、革命運動で七回逮捕される
十六歳の娼婦は長崎の原爆孤児だった
母が獄中に差し入れてくれた『吉田松陰』
我が闘争―楽観的絶望論
日本刀片手に山中の牧場でやった養豚
京都大学、同志社大学の大物との友情
ここに見事な大学をつくって日本の国のために役に立てる〔ほか〕
著者等紹介
徳山詳直[トクヤマショウチョク]
1930年5月13日島根県隠岐島に生まれる。同志社大学時代、革命運動により七回投獄される。1977年学校法人瓜生山学園京都芸術短期大学を設立する。1991年京都造形芸術大学を開学する。1992年山形県・市と提携し、東北芸術工科大学を設立する。2010年神宮外苑に京都造形芸術大学、東北芸術工科大学が企画プロデュースする新型アートカレッジ、東京芸術学舎を設立する。京都造形芸術大学、東北芸術工科大学、財団法人日本文化藝術財団、東京芸術学舎理事長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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MICKE
3
うーむ、恐るべき本であった。学長の細川氏は”活劇本”と云っているがまさに然り、これが氷山の一角としてもその真摯な姿勢は、ひしひしと伝わってくる。異人であり、偉人であり、偉大なる教育者である。京都の話は正にリアルタイムで見聞き知っており、芸短と呼ばれる頃からその辺りに住んでいた。さてこれからどのような展開に出られるか、この本がその嚆矢となったことには間違いない、もうあとには戻れない、革命しか無い、徳山サン。その節にはぜひ参加させてください。2012/03/16
タカナとダイアローグ
2
通信教育で芸術を学べる稀有な大学。 革命家徳山氏による理念を具現化すると、通信教育に行き着くのか。 最近はMFA(芸術学修士)を通信過程で修得できるということで、進んでいるんだなという印象。 社会人教育について真剣に考えている大学だと思う。2019/07/16
柬
1
昨今、目的の達成よりもいかに手段を美しく見せるかということに重きが置かれ、やることなすこと目的的、理知的になっている気がする。しかし理知ではなく感情、想いこそが物事を本当に動かすのではないか。2012/06/26
mochico
1
2014年10月24日追記。今月20日に逝去されたとのこと。私たちの卒業式の日、スピーチをされていたその姿が忘れられません。またぜひこの世に生まれ出でてきてほしい。あの熱さと、ユーモアと、テンポ。そして生き方。誰にも真似できません。2013/05/17
TAKAMI
1
京都造形大と東北芸工大の創設者である徳山詳直の伝記、というか戦記というべきか。今の自分と同じ年の時に共産党員として活動し、何度も逮捕され、獄中で母親にもらった吉田松陰の本を読んで学校を作ることを決意。そこから資金を作るために農業に奮闘したり…常にあらゆるところで戦っている恐ろしい話だった。もう少し芸術に関する話はほしかったかな。2014/09/05