内容説明
クラスの女子からいじめられ、孤独を感じている14歳の美輝。ある日病院で出会った井之尾という不思議な老人に、「自分のかわりに春を感じるものを見つけて写真に撮ってきてほしい」というお願いをされる。言われるがままに外に出てみると、美輝は今まで殺風景だった通学路に春があふれていることに気がつくのだった。道ばたに咲いている花、車のボンネットで昼寝をする猫、河原で野球をする半袖姿の少年たち…。心が晴れた記念日―その日が美輝の心晴日和になった。小さな心がけ一つで幸、不幸はコントロールできる!ロングセラー『君と会えたから…』『手紙屋』の著者が贈る、“絶望”が“希望”に変わる奇跡のストーリー。
著者等紹介
喜多川泰[キタガワヤスシ]
愛媛県出身。東京学芸大学卒業。1998年横浜市に学習塾「聡明舎」を創立。既存の塾という概念から離れて、勉強という道具を使って人間的成長を追求する場を提供している。自己啓発小説を中心に作家としても活動。独自の世界観は幅広い世代に支持されている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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おしゃべりメガネ
179
読了当時、新型コロナのネタばかりが毎日続きウンザリする日々、そんなトキだからこそ、1日1日の毎日、そしてこの先をどう前向きに生きていくかをココロに響かせてくれた素晴らしき一冊となりました。14歳の一人の少女が理由なきイジメにあっており、塞ぎ混んでる毎日から一人の老人と出会うコトにより、生き方を見つめ直し、立ち直るためにどうすべきを考えます。そんな少女も出会いと別れを経て、一人の働く女性となり、また新たな出会いにより改めて自分を見つめ直します。様々な文章に、今後どうあるべきかがしっかりと書かれていました。2020/09/04
うりぼう
112
北村先生のオススメ。表紙の女子高生が背を向けている所が、重松本のよう。でも、内容は似て非なるもの。強くなりたいと願った彼女は、その通りとなるが、それでも、自立とは何かに悩む。自立とは、自活でなく、覚悟。人には、承認と感謝のある居場所が必要。木原孝久先生は、今の時代に「助けられ上手」が足りないと説く。他人に助けてという勇気と、心からの「ありがとう」をあげよう。他人に必要とされる喜びを。留美ちゃんの「チケット買って」に思わず涙。責任は自己にあるは、アレンの「原因と結果」であり、小さな心がけは、「かもの法則」。2010/10/05
おくちゃん🌷柳緑花紅
79
心晴日和(こはるびより)事実はひとつ、解釈は無限。起こっていることは変えようがないけれど、それが自分の人生にとって何を意味するかという解釈は自分で決めて良い。不安、希望どちらを選択する?今日を心晴日和にするもしないも私自身が決められる。2015/02/09
ぶんこ
49
井之尾さんのような人(一つ年下の同僚の女性でしたが)、私にも居ました。僻みっぽかった私に、物事は良い方に考えた方が自分も周りも幸せだと教えてくれ、嫌いになっては困る相手と接する時には「私は○○さんが好き」と暗示をかけるのを習慣にしたら、本当に好転。遥か昔の事ですが、いまだに感謝しています。読んでいて井之尾さんの話し方だけは、どうにも苦手でくすぐったかったなぁ。美輝さんにも偶然の素晴らしい出会いがあって、この先も読んでみたくなりました。2016/04/13
あつひめ
48
喜多川さん初読み。主人公、美輝と似たようなものを抱えた45歳の私をこの物語の中で見つけたような気がする。いつも足りないものばかりを数え上げる。褒めてもらっても言葉の裏を読もうとして卑下してしまう。素直じゃない私を見つけた。美輝を通して私も諭された感じ。いつの間にか見えなくなってしまったのは誰のせいでもない。自分で目隠ししてしまっているだけ。自分から見ようとする心、ありがとうと素直になる心をもう一度身に付けたい。心が晴れる日・・・心晴日和(こはるびより)。良い本と巡り合った今日が私の心晴日和かもしれない。2012/02/19